精なる種

橋本伸々

プロローグ

画期的な発明だった。


それは当時から日本の権威であった江戸川大学農学部の榊原さかきばら江津子教授が開発したものだった。


その発明にほぼ全ての世の男性たちは「人権侵害だ」と騒ぎ立てたが、世の女性の全てと、妙な正義感を持った残りの一部の男性どもの賛成により、その発明は世に受け入れられ、国の施策に導入されることとなったのだ。


こんな現状になった今では、当時とち狂ってその政策にくみした男どもも後悔の念にかられていることだろう。


まあ100年も前のことなのでその当時に関わった人たちはほぼこの世におらず、あちらの世界でということになるだろうが。

はたまた輪廻転生というものがあったならば、再び生を受けたこの世界で、自らが賛成した政策に苦しめられているのかもしれない。

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