厳しい実家を離れ、スローライフを満喫したい
闇野ゆかい
第1話自由を求め
──私はもう嫌っっ!ついていけないよっっ、この家を出てくからっっ!
両親達を前にそう大声で宣言して、実家を飛び出し、すでに一週間が経過した。
行き先や住む土地すら決まっていないにも関わらず、勢いまかせに飛び出してきたことを数時間後に後悔した私だった。
王都から一歩も出たことのない私には土地勘がなく、王都を離れることすら苦労した。
私は手続きに手間取り、一時間以上も経過して、王都を出られた。
馬車に揺られながらの道中は、終始瞳を輝かせていた。
眼前に広がる景色に見惚れ、思わず声が漏れた。毎日、想いを馳せながらページを捲る手が止まらなかった本に描かれていた光景に似た景色が広がり、胸を躍らさずにはいられなかった。
私──ミシャアル・フィルルンカの第二の人生が幕を開けたことをひしひしと実感した。
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