■ ノリヲ・メモ 魔法具(2)

◎『最低限の盾』

 精神を2点消費すると三分間、加護1相当の防御力(物理・魔法両方に有効)が増える。

 この加護を発動する際、何かに触れていると、それが同一材質のものであればそこに防御点を移して形を固定することができる。例えば、防水や防火に優れた布を一時的に傘のように用いたりなど。


◎『最低限の剣』

 ちょっと柄が長い短剣のようだが、精神点を1点消費すると小剣のように、2点消費なら長剣のように、3点消費なら手投げ槍程度にまで刃が伸びる。

 攻撃力は変わらないが、強度は消費した精神点で補っているらしい。効果時間は三分間。


◎『精神の手袋』

 地球で「スマホを操作できる手袋」ってのがあったけど、まさしくアレ。精神値を通すモンスター素材をもとに作られているらしい。かなり流通している。

 毒や擦り傷等を防ぐため、冒険者に手袋は必須ということで、予備の購入も勧められた。

 『最低限の盾』と盾を腕に固定できる籠手、『最低限の剣』とその鞘を取り付けられる革ベルト、こちらの手袋は予備込みの六点セットで、大金貨2枚にまけてくれたって言っていた。モーパッの馴染みのサンカイドウ武具店は今後も贔屓にしよう。


◎『思い出の懐中時計』

 エマからもらった銀色の懐中時計。精神を最大12点まで貯めておける。寝る前に睡眠で回復が見込める分の精神値を保存するのがよいらしい。この世界の時計はまだ職人が手作りしているので、魔法品でなくともかなり高価なもの。


◎『浮き輪の胴衣』

 魔法具でもあるこの胴衣は、基本的にはベスト型の革鎧なんだけど魔法が二つもセットされている。

 一つ目は精神2点消費で、「頑丈」に三分間の「加護」を得られる魔法。

 二つ目は精神3点消費で、鎧の内側に折りたたまれていた袋に空気を送り込み、救命胴衣のようにも使えること。


◎『冒険者の籠手』

 手首から肘のあたりまで覆う革の籠手。軽いが固く、角度を上手に受ければ普通の刃も受け流せるという。

 右手側は精神2点消費で、「器用」に三分間の「加護」を得られる魔法。

 左手側は精神2点消費で、「筋力」に三分間の「加護」を得られる魔法。

 常時装備していても疲れないというのが売りで、いろんな店で同様の名前でこの商品は出回っているようだ。

 盾を装備できる籠手は既に買った後だったが、防具屋の主人がそれを二の腕に取り付けられるように調整してくれた。思ったよりも動きは制限されないし、サンカイドウ武具店で買ったのは二の腕に装備することにした。


◎『爽やか兜』

 ヘルメットに鼻ガードがついたような形状の革兜。

 精神を1点消費すると、外の空気を取り込んで兜の内側に送風する。これは暑さ対策らしい。

 また『通知格納機』の効果も供えており、この兜にはトータル二つのパーティ内通知を保存できるようだ。


◎『快楽の脛当て』

 膝から足首あたりまでを覆う革の脛当て。

 精神1点消費すると三分間、フットマッサージャーみたいな効果を発揮する。

 店頭でも試させてもらったがこれがかなり心地よい。長旅には必須というのもうなずける。

 『浮き輪の胴衣』、『冒険者の籠手』、『爽やか兜』と四点セットで大金貨一枚。ゲンチの金銭感覚はまだそんなつかめてないのと時間がなかったのとで、そのときは安くて良い品をありがたいってスルーしたが、よく考えたら武器に比べて安過ぎだよね。もしかしたらエマが裏で手を回して安くしてくれたとかだったりして……公務員の利益供与的なのがあったらアウトな気がする。


◎『伝言装身具』

 パーティー内通知のように伝言を吹き込んでおける魔法具。伝言を録音するにも再生にも、メッセージ1分あたり精神点が1点必要になるが、一年以上再生しないでいると、録音した伝言も消えてしまうらしい。

 ちなみに、再生にかかる精神点は装備している側が消費するらしく、勝手に触った他人が再生しようとしても、装備者が精神点を支払わなければ再生されることはないのだとか。

 ブローチや腕輪形状のものが一般的で『伝言装身具』と俗称されるが、お好みのデザインに変えてくれるオーダーメイドでの販売を好む者も多いとのこと。

 実は四点セットを買った防具屋でも手袋タイプのを便利だよと勧められたのだが、サンカイドウ武具で『精神の手袋』を予備まで買っちゃっていたので断った。

 孤高姫さんが使ったのもこの類いの魔法具だと思う。

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