プリンス
ぎがじん
第1話 プロローグ
一矢は暗闇の中ひとりでスマホを片手に大きな橋の上に立っていた。
微かに潮の香りがする。
歩道から身を乗り出して下を覗く。漆黒の河の波がわずかな光を反射して時折黒光りしていた。
数十分前までフル回転していた脳は今は妙に落ち着き、五感が冴えわたっている。
一度眼を瞑り大きく深呼吸をして、もう一度眼下の漆黒を睨みつけた。傍からみたら独特の雰囲気を放っているであろう。
プリンス ぎがじん @gigajin
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