第10話
修正版を『最強無敵厨二病少年の勘違い英雄譚~我は全てを知っている(๑• ̀ω•́๑)✧ドヤァ(知らない)〜』を投稿しています。
そちらを見てくれると嬉しいです。
引き続きこちらでも下書きとして更新は続けさせていただきます。
「ぐぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!」
突然。
当然新たなる魔怪が姿をあらわす。
ついさっきまでは確かにいなかったはずだ。
いつ、いつ、現れたの?
私は困惑し、絶望する。
いきなり現れた魔怪の脅威度はおそらくさっきまで私達を苦しめていた人災級を軽々と超える災害級。
ちなみに、脅威度とは魔怪の強さを見て、どれだけの危険性があるかを定めたものだ。
下か順に無害級、傷害級、賊害級、有害級、人災級、大災級、災害級、災厄級、天災級、神災級となっている。
「ここは我がやろう……」
声が響く。
ここにはなかった声が、聞き覚えのある声が。
深々と被ったフードからかすかに見えるきれいな銀髪に黒と赤のオッドアイを持った仮面の男。……仮面?あれ?仮面なんか被っていたっけ?
「影様」
仮面を被った女性たちが彼に一斉に膝をつく。
彼はいつ現れた?
魔怪同様さっきまでいなかったはずだ。
気配も、魔素も、力も何もかもが感じられなかった。
そして、今も。
はっきりと見えているのに、何も感じられなかった。
「哀れな……。呑まれたか」
囁くように
哀れ?呑まれた?
一体誰に向かって言っているんだ?
「せめて、楽に逝かせてやろう……」
「ぐぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!」
怪物が咆哮し、その剛腕を振るう。
だがしかし、それらは彼を、すり抜ける。
幾度も振るわれる剛腕は彼
「な、何が……」
私の口から呆然とした声が漏れる。
なんで、当たらない?
彼は、幽霊だとでも言うの?
「安らかに眠れ」
一歩。
彼が一歩踏み出す。
そして、ただ斬られたという結果だけが残った。
一刀両断された魔怪の体はボロボロと崩れていき、天へと消えていった。
誰も反応できなかった。
いつの間にか彼の手に握られていた漆黒の刀が魔怪を斬り裂いたのだ。
私も、魔怪も、反応できずただ斬られていく様を眺めていることしか出来なかった。
力も、技も、速さもない。
しかし、ただ自然だった。
あまりにも自然すぎた。
斬られるのが当然の結果としてその場に残った。
「時は流れる。時は無情にも流れ行く……」
私の方に振り返り、私に聞かせるように言葉を残していく。
「逢魔時は近い」
彼は私に背を向け、歩いていく。
私から離れていく。
「待って!」
私は去りゆく彼を呼び止める。
意味がわからない。
彼は、私に何を教えたいの?
逢魔時とは一体?
「あなたは、あなたは何を知っているの……?」
「我は全てを知っている……」
それだけ、短くも絶対的な言葉を残して、彼は消える。
後にはもう。
何も残られない。
いつの間にか仮面の女性たちも消えていた。
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