第6話
修正版を『最強無敵厨二病少年の勘違い英雄譚~我は全てを知っている(๑• ̀ω•́๑)✧ドヤァ(知らない)〜』を投稿しています。
そちらを見てくれると嬉しいです。
引き続きこちらでも下書きとして更新は続けさせていただきます。
「え?え?」
一人、一人残されてしまった私は呆然と立ち尽くす。
別人、なの?巨大な猿のような魔怪を倒し、私を救ってくれた人は……。
でも銀髪に黒と赤のオッドアイなんて……。
……そういえば、あのときに私を助けてくれたあの人は身長高かったし。
別人、か。
そっか。そっか。
……私は気落ちする。
あの人なら私達を救ってくれそうなのに……。
「はぁー」
私は深々とため息をつく。
まだ、クラスメートの人たちとしか接していないけれど、まともの戦力になりそうな人はいなかった。
「無理だよ。お父様……」
私はお父様より課せられた不可能に近しい任務を思い出した。
■■■■■
「神奈よ。今、陰陽師界が苦境に立たされているのは知っておるな?」
「はい。お父様」
陰陽師。
遥か古代より魔怪と戦い、人々を守ってきた存在。
私はその陰陽師の中でもエリート中のエリートである四大陰陽師家と呼ばれる名家の一つである倉橋家の長女であった。
私達陰陽師たちは今、苦境に立たされていた。
その理由は主に2つ。
1つ目は単純で、少子高齢化。若者の陰陽師の数が減り、もうすでに一線を退いた年配の陰陽師ばかりということ。
2つ目は侍たちとの対立である。
侍たちは戦国時代となり政権が朝廷から武将たちに移っていった時代のこと。
当時、朝廷、天皇陛下の配下として活躍していた陰陽師を快く思わなかった武将たちが隅へ隅へと追いやっていた時代に活躍していた人たちだ。
陰陽師が隅へと追いやられて、まともに機能しなくなっていた時、代わりに魔怪たちと戦ってきた人たち。
質だけで言えば圧倒的に陰陽師に劣るものの、陰陽師を超える圧倒的な量を持って魔怪と戦っていたのだ。
明治維新後は陰陽師と侍は協力して魔怪と対処していた。
日陰に追いやられていたことで力を減らした陰陽師と明治維新で侍の数を大きく減らした侍。
2つで協力しなければ魔怪と戦うのは厳しかったのである。
しかし、戦後に起きたとある事件を端に陰陽師と侍の関係は悪化。
対立するようになっていた。
その対立によって魔怪と戦うための戦力が減っただけでなく、侍と渡りあるための戦力も必要になったのだ。
しかし、陰陽師界は少子高齢化が進んでいる。
つまり、完全に人手不足であった。
「その現状を打破するために神奈に一つの任務を下す」
「何でしょう」
……この現状を打破できる策なんてあるのかな?
「神奈を一般の高校に送る。そこで陰陽師として活躍できる可能性がある一般人を見つけてきてほしい」
「え?」
私は思わず疑問符を向けてしまう。
私達陰陽師は血統主義。その血、そして幼少期からの教育によって強さが決まると言っても過言ではない。
それなのに外部から人を?
「神奈の疑問はわかる。しかし、もう出来る対策などこのくらいしかないのである。神奈の他にも色々な一族の高校生が一般の高校に送られることになっている。最悪一人でも見つけてきてほしい。少しでもいいから戦力が必要なのだ。一番可能性が多そうな高校を選んだつもりだ。任せたぞ」
「わかりました……」
私は少しの不安を感じながらも了承した。
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