第5話

 修正版を『最強無敵厨二病少年の勘違い英雄譚~我は全てを知っている(๑• ̀ω•́๑)✧ドヤァ(知らない)〜』を投稿しています。

 そちらを見てくれると嬉しいです。

 引き続きこちらでも下書きとして更新は続けさせていただきます。


 僕はいきなり頭を下げるに倉橋さんに困惑する。

 え?僕なんかしたかな?

「あの時、助けてくれなかったら私は死んでいました。本当にありがとうございます」

 あの時?

 いつ?それ。助けた?全然記憶にないんだけど。

 化け物を見た人間は何故か記憶が失われるようになっているから、化け物を倒したついでに助けた人じゃないと思うし……。

「それでなのですが……」

「はっ!まさか!」

「え?」

「貴様は悪の組織ブリュンゲルに囚われた者か!」

 確か以前悪の組織ブリュンゲルに囚われていた人間がなんかとんでもない人体実験を施されていたのだ。

 悪の組織ブリュンゲルを壊滅した時に助けてあげた子かな?

「ぶ、ぶりゅ、え?……え?」

「君の気持ちはよくわかった……」

「え?」

「しかし、敵は強大。君ではついてこれないだろう……。申し訳なべぶし!」

 頭にずんざく痛みが走り、頭を抑えてうずくまる。

「痛い……痛い」

「いやー、ごめんね。転校生の、倉橋さん、だったけ?こいつどうしようもないくらいの厨二病患者だからさ。気にしないでいいよ」

「え?あ、はい」

「ほら、行くぞ」

 僕は悠真に首根っこを掴まれて引きずられていった。

「やめろぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!我が!我が!」

「アホが。何デケェ声で言ってるんだよ。お前の存在は闇に潜み、暗躍する存在じゃなかったのか?」

 ボソリと耳元でそう言われる。

「あ、そっか……」

 

 ■■■■■

 

「俺のど乾いたからジュース買ってきてくれん?」

「ん?いいよ」

 俺から金を貰って、てってってと走り去っていく小学校高学年くらいにしか見えない風和を見届ける。

「はぁー」

 神から使命を与えられた存在が、そう簡単にパシられるんなよな。素直でかわいいだけどよ。

 俺はスマホを取り出し、ある人物に

「もしもし」

『はい。悠真君ですね?どうしたんですか?』

「報告だ。風和に接触して来た人間がいた」

 電話の相手は風和の妹。

 俺は風和の妹に風和に接触してきた人間がいたら報告するように言われているのだ。

 必要なことだからと。

 何がどう必要なのかはよくわかっていないんだけどな。

 まぁ全部報告しているわけではないがな。

 あいつが本当になんかよくわからない力を持っていることとかは風和の妹も知らないだろう。

「……わかりました。いつもありがとうございます」

 ぶつりと通話が切れる。

 俺は全てを知っているわけではない。

 なんとなく知っているだけだ。所詮それだけ。

 だが、あいつに残酷な運命を背負わされているということは知っている。

 そして、あいつの妹が歪んだ愛情を抱え、苦しんでいるのも知っている。

 

 俺は、あいつらの友として、幼馴染として、幸せな人生を送れることを願っている。

「はぁー」

 俺は何もできやしねぇけどな。

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