奈良と神奈川、吹奏楽

澪凪

第1話 出会い

私は、小学校の時からいじめられていた。


テンプレートないじめは全て受けていたため、いつだって死ねる、と幼いながらに思っていた。


そんな私を救ってくれたのは、当時テレビでやっていた「仕分けを関西ジャニーズがやる番組」である。


緑がメンバーカラーの彼が大好きで、私は小6にしてドラムを始めた。


もちろん独学で、最初の曲は、彼の出ているドラマの主題歌。


唯一の楽しい時間だった。


それを中学に入っても続けるためには、吹奏楽部しかなかった。


吹奏楽部に入り、パート割りでパーカッションに入った。


初めての舞台は、大きなバスドラで、リズムキープをすることだった。


他のスタメンは先輩だけで、1年生の中で私1人がスタメン入りし、そこから同期からのいじめが始まった。


もちろん、中学に入ったからといって、人的環境は変化ないためいじめは続いた。


入ってすぐ、クラス・部活・学年、でいじめが始まり、地獄のようだった。


そんな中でも、楽しみがあった。


先輩方は私のことを守ってくれた。


どのパートの先輩も全部知った上で、私を守ってくれていた。


2年生も3年生も、「神奈川ちゃん(仮名・私)、なぎさちゃん」と呼び、可愛がってくれた。


特に仲が良かったのは、家が近い先輩方で、2年生の奈良先輩(サックス)、仁先輩(直属、パーカス)。3年生では、王子先輩(本当にそのようなあだ名がついていた、サックス)である。


冷静に考えると、男子の先輩3人と仲良くしていたらそりゃ嫉妬もされるだろうな、と大人になった今思う。


3人の先輩は私のことを家まで送ってくれるため、遠回りになるのに、それを笑顔で受け入れてくれていた。


もちろん、女子の先輩も私のことをたくさん守ってくれていた。


「男たちに言えないことはうちらに言いな。大丈夫。なぎさちゃんは1人じゃないよ。学年が違うから、直接的に何かできるわけではないけれど、うちらがいるから」


と、何人もの先輩に言ってもらっていた。


今考えると、それも嫉妬の対象だろうなと思う。


入学して早々、部内の先輩方に守られて、私だけ第一希望のパートに入れて、初舞台も私1人だけスタメン入り。


何一つ悪いことはしていないのに、虐められる訳である。


これが私と奈良先輩の出会いの簡単なあらすじ

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