捕縛前夜
華田 もも
【プロローグ】
『彼女と別れた。会おうよ。』
別れの夜、少し眠そうな表情で運転をする魁人を見ながら、
『このまま事故にあって一緒に死にたい。』
そんな思いすら沙楽の胸を
それなのに…。
何事もなかったかのように連絡をしてくる魁人のことを恨めしく思った。
だが、その気持ちとは裏腹に、何よりも愛おしく感じる自身の心に抗えずにいた。
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