ヤクザスライムと廃品皇女

沙水 亭

一周年記念 特別話 祝いの美酒を、君に…

これは開戦する前の話…




「おはよ〜」


「あ、お、おはようございますアリューン様」


メイドの1人たどたどしく挨拶を返す。


「?」


「あ、おはよ〜アリューン」


「ママ、ウキウキだね」


「ふふん、まぁね〜」


「朝ごはんに行こう」


「そうね〜」






帝国 食堂


「お〜アリューン様だ〜おはようございます〜」


「シリカさん、おはようございます」


「…シリカさんのご飯凄い」


シリカのテーブルにはスイーツがかなりの量あった。


「はい〜甘党なんで〜」


「糖尿病になるわよシリカ」


「あ、ラン〜おはよ〜」


「おはよ、シリカ、

おはようございますアリューン様」


「おはよ〜ランさん」


「アリューン、おはよう」


「あ、ジンクスさんおはようございます」


「おはよ〜アリューン様」


「シーリングさんおはようございます」


「皆勢ぞろいだな」


「そうだな」


「…今日は色んな人に出会うなぁ」


そう言いながら食事を済ませた。






帝国 城庭


「…♪」


「楽しそうですね」


「そうね〜」


楽しそうに歌を歌うアリューンを遠くでカスミとサザンカの2人は見守っていた。


「♪」


「…カスミ、例の計画は進んでる?」


「はい、姐さんとシーリングさんが別空間で」


「別空間でとは…流石ね」


「…う〜ん満足!」


「楽しそうでしたよ、アリューン様」


「なんだか今日は踊りたい気分なのよね〜」


「そうですか」


「さ、今日の予定ですが…」








「…ねぇ〜カスミさん」


「はい」


「遊ぼ〜」


「駄目です、仕事してください」


「ぶぅ〜」


アリューンの仕事は主に書類整理だ、重要な書類は厳重なファイルに入れて、そうでない書類は別のファイルにを繰り返す。


そりゃあ暇にもなる。


「…はぁ〜やっと終わった」


「お疲れ様です」


「よし!休憩」


「そうしましょうか」






「生き返る〜」


「紅茶一つで大げさですよ」


「ん〜…眠くなってきた…」


「駄目ですよ、ほらあと少しじゃないですか、少しの辛抱です」


「は〜い」


アリューンは残りの書類を片付け終わった。


「終わった〜」


「はい、お疲れ様です」


「眠い…」


「今日のお仕事は既に終わってますので大丈夫ですよ」


「おやすみ…」


アリューンはそのままデスクに突っ伏した状態で睡魔に攫われた…




「よし…寝ましたね」


カスミはアリューンが寝たのを確認すると毛布をかけてゆっくりと退室していった。


「カスミ、アリューンは寝たんやな?」


部屋を出るとランとスズランが待っていた。


「はい、姐さん」


「にしてもよく効くわね…この紅茶」


なんとあの紅茶(紅茶風味のお茶)には催眠効果が入っていた。


「えげつないこと考えるよな…あの母親は、まさか暗殺に使われるお茶を使えって…」


「なんというか…母子そろって肝っ玉が座ってますよね」


「あ、姐さんたち!」


すると廊下を走ってくるメイドが一人。


「「「…だれ?」」」


「酷い!私です!グロリオサです!」


「………誰?」


「「……チョット待って…」」


「ラン様はともかく!姐さんにカスミっちは嘘だよね!?」


「あ〜…いまここまで出とんねん!」


スズランは喉元まで出かかってるようだ。


「う〜ん…私はここまでですかね」


カスミはお腹の辺りを上下していた。


「カスミっちのはどこから出てくるの?」


「あっ!思い出した!」


「やっとですか!?」


「昔、水浴びするために釜に飛び込んでスライム煮になりかけてたグロリオか!」


「そんな酷い覚え方あります!?」


「あ〜、そういえば皇国で集会したときにいましたね〜」


「………酷ない?」


「よしよし、これ食べる?」


ランが泣きかけのグロリオにチョコレートを渡した。


「……まぁそれはそれとして、用意できましたよ」


「お、ならあとは見栄えだけやな」








「……むぅ…( ゚д゚)ハッ!って暗!?」


アリューンは目覚めた、しかし目覚めたのは真夜中である。


「う〜、暗すぎない?」


なぜか廊下は真っ暗で誰も歩いていない。


「………怖っ…」

(なんで誰も居ないの!?)




「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」


すると少し扉が開いていた。


「ん?」


そこから楽しそうな声が聞こえてきた。


「何してるんだろ…」


アリューンはそのまま部屋に入っていった。


『アリューン様!お誕生日おめでとうございます!』


「え?」


なんと帝国の城の人々がアリューンを祝い始めた。


「おめでとうございますアリューン様」


「ランさん、これはどういう…」


「あら、今日はあなたの誕生日よ?」


「あれ?私今日誕生日だっけ?」


『…嘘でしょ?』


「忘れちゃった♪」


『何ですとー!?』






「はぁ〜お腹一杯〜」


「飲むかい?アリューン」


ベランダで一休みしていたアリューンにレイヴがワイングラスを持ってきた。


「え〜、私飲めないんだけど」


「一口くらいは飲めるようになっておいたほうが将来役立つぞ?」


「…じゃあ一口…」


「お、いい飲みっぷり」


「ぷはぁ…意外と美味しい」


「それは良かったな」


「ん〜…実感ないな〜」


「何がだ?」


「私、今日で18歳なの」


「俺より3つ下か」


「え、そうなの?」


「ああ、21歳だ」


「初知り」


「初めて言ったからな」


「へぇ〜」


「さ、そろそろ戻るぞ、プレゼントが待ってる」


「プレゼント!?何!」


「それは見てからのお楽しみ」


「楽しみ〜」





Happy Birthday Alyuun







作者より


『ヤクザスライムと廃品皇女』を見ていただきありがとうございます!


2022年11月14日 をもってこの作品は一周年を迎えました!


めちゃくちゃ鈍臭どんくさい投稿頻度ですがよろしくお願いいたします!



追記 『強化骨格アーツ』も見ていただけると幸いです!



これからも『ヤクザスライムと廃品皇女』をよろしくお願いいたします!


沙水 亭

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