マネキン

 白い肢体をなぞる度に、

 君の美しさを表現するにはどうすればいいのか悩んでしまう。


 はだけた服の隙間から、僕の欲望が見えるのは、

 きっと君の美しさが僕にそうさせるんだ。


 首筋にキスをする。

 肩筋から、鎖骨へ下り、そうして胸へと進む。

 腹部に辿り着くと、ようやく君が僕のことを認識する。


 君の瞳が僕を捉える。

 君の目には僕はどう映っているのだろう。

 君の冷たい視線に興奮する僕は、きっと怯えた目をしていることだろう。


 何故なら、君に嫌われることが怖くて。

 何故なら、君から愛されたくて。

 何故なら、君に、ころされたくて。


 それくらい、僕は、君に夢中なんだ。

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