第十四話 セラスス・エスプランドルの視点。

 私は、「セラスス・エスプランドル」エスプランドル家の二卵性の次女でこの世に生を受けました。


 私は幼少期の頃から姉の「ステルラ・エスプランドル」と両親の愛情を一心に受け、何の病気もせず健康にスクスク育ち、17年幸せに来ました。


 私は、自分でも分からないのですが。両親や姉…周りの皆様から、良く「本当っセラススは可愛いわぁ…春の妖精ってセラススの事を言うのかしら?」


「勉強もスポーツも女子の中では学園でトップなんですって?本当羨ましい」


「いえ…そんな事は…」


 屋敷に来るお客様から、挨拶の様に聞く台詞正直…聞き飽きました。

 まるで私の取説のマニュアルでも有るのかしら?と言いたくなる程…皆様同じ事をおっしゃいます。

 だから…どこまで本心で言っているのか分からなかった。無論…中には…本当に褒めて頂いて居る方には失礼ですわね?


 そうそう、私の姉「ステルラ・エスプランドル」の事を少しお話しいたします。

 皆様、どうか少しだけお付き合い下さいませ。

 私の姉ステルラとは二卵性の双子だから、雰囲気は似ていても、一卵性と違い全く顔つき、身体つきも違いますの。

 姉は、妹の私から見ても、本当に綺麗で優しい姉なんです…。これは自慢です!!

 体型も、私と違い…その…ボンッキュッボンッ…あっ少し下品な言い方だったかしら?ごめんなさい!


 でもっ!私だって!負けてませんわ?そりゃ…ステルラに比べたら…少しだけ胸が小さいかも…ですけどっ!!!


 そんなステルラですが…。普通なのかは分かりませんが、他のご令嬢でしたら、絶対に自分の美貌や、体型を武器にして、偉そうにする所を、ステルラは微塵も、出さないんですもの…流石だわ!!って言うか…多分、ステルラは自分の事を、良く分かって無いと思うの?もし、分かって至っても決して鼻には、掛け無いのが、ステルラなんですけど。


でも、最近私の、胸の辺りがチクチクと痛む時が有りますの…。以前、私の方からステルラに、あの2人の事を聞いたら、意識して無い様な事をって言っていた。はず、なんだけど…急にルイやアリビオに、急接近し出した様な…。勿論!構いませんのよ?用事が有るからかも、知れ無い事だし?…其れに、私が言った事で意識し出すって事も有る訳だし?


ただ…アリビオとステルラが、一緒に居るのを見ると…辛いんです。

ルイの事も、気にはなるって言ったかも、知れません…でも、其れはアリビオとは異なる物だと…私はアリビオの事が好きなんだと、この前で確信したのです…。


其れに…多分…ルイは、ステルラの事が好きだと思うし?彼って分かりやすいのよねぇ。なのに…当の本人のステルラは気付いて無いし。


この前、ステルラが、アリビオにお姫様抱っこされていた時…其れには理由があったのですが私の心臓が激しくドクンッとなったのです。

初めてやきもちを焼いてしまいました。


でも!そんな事を微塵にも、出す訳にはいけません!

其れをしてしまったら、何かを無くしてしまいそうで…怖いんです。


…でも、今度の、晩餐会では、アリビオはステルラを選んだ…晩餐会なんか無くなってしまえば良いのに…それは私の我が儘ですよね?

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