今流行りの悪役令嬢系では無いけれど、我が妹に嫉妬され目の敵にもされてポンコツお姉ちゃんはめちゃくちゃ困っています。

もふ太。

第一話 私がステルラ・エスプランドルです。


 ある朝目が覚めたら、そこはいつもの見慣れた自分の部屋じゃ無いって話しは、漫画や小説アニメ等々と良く聞くし自分も嫌いじゃ無いから観てた。


 今!正にそれが自分自身に起きてる!現在進行形に起きてるよ!まさかっ本当にこんな事が起こるなんて…。


「…えーーっと…だから?あれ…?私は、なぜ此処にいるんだろう…?てか、此処はどこ?私は誰?」なんて可成り古いギャグも言いたくもなる。


 周りを見渡しても、めちゃくちゃ豪華な部屋しかも自分が今使っているベットもキングサイズ…フッカフカァ。


「わぁいっ!ゴロンゴローーン」


 ってぇ!いやいやゴロゴロしてる場合じゃ無いつーのよ!思い出せぇー。


「えー…確か…昨日…会社の飲み会で…ヘベレケになり課長に絡んだあげく…最後には課長の頭にビールを…ぶっかけ…ヒィィッ」


 アワアワアワッ私ったら何とんでも無い事を…!!


 そう!私事「空ノ詩」は異世界…転生…?をしたらしいのです。


 生前は、IT関係の仕事をして、バリバリ迄とは行かずも自分也に頑張っていた方だったと思う…かな?


 後は、趣味で携帯小説を、ちょくちょく書いては投稿して…それなりには楽しんでたし。


 他に何か…思い出せる事…はと言うと、生きてたら、もう時期2つ上の姉の結婚式だった…しかも、私の義兄になる人は、私がビールをぶっかけた相手つまりは上司……つまりは…私の元カレだった人。

 何で、姉と結婚する事になったのかは…まぁ所謂いわゆる、大人の事情って奴?


 …にしても、転生したら前世の記憶が曖昧になるのと、ハッキリ覚えているパターンが有ると、何かの怪しいサイトで見た事有るけど、どうやら私の場合ハッキリと覚えているみたい。


 それは助かる反面、消したい記憶も有るんだけなぁ…。


「なぁんてね?誰に向かって話ししてんだ?私は!」


 それに、この部屋に見覚えが有ると思ったら…今、私が連載してる携帯小説の間取りにも似ている…てかそのもの。まさかとは思うけど…。


 アンティーク調の洋服タンスの横に有る鏡を覗き込むと…やっぱり…。


 鏡に映る私は正に私が書いている小説の主人公その者!!…じゃ無いっ!主人公の姉の方かよっ!!

 鏡をまじまじと上から下迄見ると、本当に自分が書いている小説に転生したんだなと痛感してしまう。


「こんな事って本っっっ当に起こる物なのねぇ?」確か私の名前って。


「ステルラ姉さまぁ〜起きてますの?」


 そう…私の名前は「ステルラ・エスプランドル」我ながら…舌を噛みそうな名前を付けたもんだわ。


「お姉さま?起きてますの?入りますわよ?」


コンコンと軽やかなノックをした後に、我が妹「セラスス・エスプランドル」が乱入…失礼…朝の挨拶しに入って来た。


妹は私が小説に設定した通り、文句無しの主人公枠、髪は背中迄のサラサラヘアーのサーモンピンクに瞳はスカイブルー…。


名前の「桜」のイメージにピッタリの女の子、私が花の中で「桜」が好きって言うのも有るんだけどね?


「もう…お姉さまったらまだ、着替えてらっしゃ無いのですね?早く着替え無いとお父さまもお母さまも食堂で待ってますわよ?」


「ごめんなさい?セラスス今直ぐ用意するから、お父さまとお母さまに先に朝食食べてる様に言ってくれるかしら?」


「全く…しょうが有りませんわね?分かりました!出来るだけ早く来て下さいね?」


ーーーーーーパタンッーーーーーー


と、妹が閉めるドアの音迄もが可愛い。

流石、主人公だ朝から眩しい煌めきをありがとう!


私は、両親…を待たす訳にはいかず、早々に着替えを済ませ食堂に向かった。


何が原因で死んだのか?何故自分が書いた小説に転生出来た?したのか?分からない事だらけだけどっ!しかも…主人公の姉貴の方に…。


取り敢えず、「今」を生きて行くしか選択は無いっ!


そう「ステルラ・エスプランドル」の物語を作ろう!

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