第5話

ある日のプールの時間でのことだ。

俺がコンビニバイトをして必死で貯めたお金で買ったGショックが更衣室から忽然と消えた。


おそらくは藤島。


大事なものゆえ、

俺は授業後、ヤツに詰め寄った。

高価なものであり、

傘みたいに有耶無耶にするわけには

いかなかった。


「今、もし、俺の時計持ってるなら

返してくれ...!」


「は?時計?俺知らねぇよ...」


「ジャージのポケットの中にあるんじゃないのか...?」


「それか、カバンの中...」


「だから、知らねぇって!」




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