第2話

俺のクラスには泥棒がいる。

犯人の正体は最近判った。


学年一位の成績でいい子ぶってるが、

実はとんでもない悪党。

名前は藤島。

滅茶苦茶男前だが、

部室から部費をくすねたり

CDプレーヤーを借りパクしたり、

小さなものでいくと

シャーペンやシャー芯を平気で

他のひとの筆箱のなかから取っていっちまう

悪い奴だ。


傘を持って行ったのに。

いざ帰ろうとしたら、傘置き場になくなっていた。


名前を書いておらず、

俺はやられた、と思った。

黒い傘であり、ありふれている。

それを藤島くんときたら、平気で持って行って、女子と相合傘をして帰るあたり、

腹立つ。

「お、おい、その傘、俺の...!」


「は?おまえのだって証拠はあるのかよ?

あるなら返してやるけどよ...

ないだろ、どこにも」


「...っ!」


大抵。


弱いやつから奪っていく。

そんな奴だ。

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