黎明コンツェルト

玉瀬 羽依

第1話

 中学生の時、誕生日にギターを買ってもらった。

 親の影響で、音楽と触れ合う機会が多かったのがそもそものきっかけだった。

 音楽バンドのコピーをしたり、自分で曲を作ってみたり、はたまたギターを片手によく歌うようになった。


 ————その頃だっただろうか。


 に初めて出会ったのだ。


 ギターの音色のように綺麗な声をしている

 名は、琴音ことね


 僕が一人で公園に行き、ギターを弾いていると彼女はよくどこからともなく現れた。僕の下手な弾き語りをいつも楽しそうに聞いてくれていたのだ。

 だが、ある日を境に彼女は公園に姿を見せなくなった。理由は分からない。

 だけど、いつかまた会えるだろうと思って、僕はギターを弾き続けた。


 あの日までは――――。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る