番外編: 4コマ漫画的な何か その2
9. 演技
「ごめんねー。ちょっとこの先の路線に歪みがあったっぽくてねー。直してくるから暫く待ってて」
「わかった」
その少し前
「ふんっ」
車掌ちゃんはハンマーで路線を叩く
バキンと線路がへし折れる音がした。
「さて、私は直しとくからネムは散歩に行ってきな」
「ねえ、毎回演出の為に嘘ついて散歩させるのやめない?」
10. 分別過ぎれば愚に帰る
「いい夜空だねぇ」
「うん」
僕とネムは二人で夜空を楽しむ。
その時、腕がチクッとした気がした。
「え?」
よく見ると腕にマダニが張り付いている。
「うわああああぁ。死ぬっ。助けてぇ!!」
「そんな馬鹿な…あーなるほど。考えすぎてほんとに出てきちゃったんだね」
ネムは納得したようにうなずいた。
「よし、窒息させて追い出すんだ」
そう言って、ネムは腕を黒い液体に変化させる。
「いや、それほんとに合ってるの!?」
結局、散々試したあと心を無にすることでなんとか解決したのであった。
*現実ではマダニに刺されたらすぐ病院に行かないと駄目なそうです。
11.お姉さん
「ふふん。じゃあしょうがないなぁ。お姉さんが人生相談でもしてあげますか」
僕のお腹くらいまでしかない小学生くらいのネムを見てると
お姉さんには見えないかなぁ。
「何その顔は」
「いや、お姉さんに見えないから。ちっちゃいし」
ガーン
とネムはショックを受けた。
「…ごめん」
ちっちゃくないし…とつぶやきながら
落ち込むネムが立ちなおるまでしばらくかかったのだった。
6話 ネムの人生相談
12. 夢オチ
「僕は…絵本作家になりたい。と思ってるんだ。物語が作りたくて」
「でもそれって、絵本作家じゃなくてもいいよね」
「え?」
「どうしても、絵本作家じゃないといけない理由説明してよ」
「面接!?」
「え、ねえ。起きて」
あれ、ネムが立ち直るまでの間に寝てしまったようだ。
「…ユメの中でゆめオチか」
13. 羊
「例えば、そこにいる羊なんかは草食べて寝て充実した生活を送れてるんだろうね」
ネムが僕に説明をしてくれていた時、
辺りから、羊が寄ってきた。
「え、なに?」
「メェ~~~~」
羊たちがネムを足蹴にする
「あ、ちょっと、痛い痛い。」
14. 羊 その2
「ネム!とりあえず謝った方がいいよ」
僕は羊たちを観察する
心なしか羊たちから俺たちだって一生懸命生きているんだ、
草だけ食って生きてるわけじゃないぞ、と声が聞こえた気がした。
その中で一匹見覚えのある、どこか高貴さを感じる存在がいた。
「あ、あれシャーフか」
15.ちょろい
「それにしても、ふふ、あっはっはっはっはっは。
考えすぎてこの世界でマダニに刺された人なんて見たことないよ。
君はほんとに面白い子だなぁ」
「…そんな笑わなくてもいいじゃないか」
僕は少し怒り気味に言う。
「いやいや、確かに間抜けな失敗だけど、君が天才ゆえの事故かもしれないよ。
そんな簡単に生物を創るなんて普通じゃできないさ」
「えっ、そうかなぁ」
あっはっは。いやー、やっぱり僕天才なのか。
「…ふっ、ちょろいな」
直ぐに気分がよさそうにする僕を見てネムはそう思ったのだった。
7話 初めての経験
16. 心を読まれてる
「私はここの車掌であると同時にここの管理者でもあるからねー。ここ周辺で起きてることは大体把握してるよー。だからそのつもりでね」
やっぱり心を見られてたんだ。と僕は思った。
ん、待てよ。
車掌ちゃんがの仮面を見たい。見たい。見たい。
としつこく考えていたことを思い出した。
あれもみられてたのか~~~~
僕は羞恥心でいっぱいになった。
17. 心を読まれている その2 好奇心猫を殺す
でも、やっぱり見てみたいな。
そうだ。心読まれてるんだったらむしろ心で気持ちを伝えれば。
「そんなにみたいなら見せてあげてもいいけど」
車掌ちゃんが言った。
「絶対に後悔しないでね」
「え?」
8話 物語を作ろう
18. 好奇心猫を殺す その2
僕は探検が好きだった。
小学1年生
「うわーい。ホテルかっけぇ。探検だー」
「ホテルの方に迷惑かけるでしょ。だめっ」
母の静止に耳を傾けず僕は突っ走った。
小学5年生
「富士山でかっ。登るぞー」
「待って。危ないから一人で行っちゃだめっ」
「いてっ」
僕は転んでしまったのだった。
高校生
ユメの世界にて
「立ち入り禁止の部屋は入っちゃだめだから」
ネムが忠告する。
「あれ、立ち入り禁止の部屋が空いてる」
消えちゃえ。憎い、君の夢は叶わない
「うわあああああああああああああ」
19. 黒液生物 その1
黒液生物。僕がチビネムと名付けた。
彼らはネムの分身であるが、
今では完全に独立した個体なのである。
彼らの1日は車掌ちゃんへのあいさつから始まる。
「オハヨウ」
「オハヨウ」
大量の黒液生物たちは車掌ちゃんのもとに集まる。
「うんおはよう。今日もよろしくねー」
チビネムたちはどたどたとかけていき、
列車は黒い液体でいっぱい。
「…汚しちゃだめだよー」
車掌ちゃんが掃除しないとと思ったとき、一体黒液生物が出てきた。
黒液生物は車両全体の黒い液体を回収し、敬礼をして出ていったのだった。
「色んな個体がいるなー」
20. 黒液生物 その2
「ワッセ、ワッセ」
チビネムたちはせっせと
動力室で働いていた。
すると、そこにマヨイビトがご主人様と一緒に入ってきた。
「ニンゲン、ニンゲン、ゴシュジンサマ」
「かわいい、よし、君たちのことはチビネムと呼ぼう」
すると、黒液生物たちは目をキラキラ輝かせて騒ぎ出した。
「チビネム、チビネム!」
黒液生物の新たな種族名が誕生した瞬間だった。
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