青空までも抱きしめて

樹 亜希 (いつき あき)

お散歩コース

 私はマロンと一緒に朝早く、家を出て公園の周りを散歩するのが日課である。

高校一年の夏休みは始まったばかりで楽しいことがたくさん待っていると思っていた、昨日までは。

「おおい、俺を置いて行くなよ。一緒に行こうって言っただろ。未沙、おい、聞いているのか?」

「ごめん、あまりにもマロンが早く行こうって鳴くんだもん。陸斗が本気だって思わなかったから……」


 私と陸斗は中学からの友人だ。私はバトミントンをしていたが高校入試の時にやめてしまったが、陸斗は最後までバトミントンをやめなかったし、高校でもバトミントン部に入部した。今度合宿に行くから、今は少しでも走り込みをしたいと言っていた。

 朝日が昇るとマロンは私を必ず顔舐めして起こしてくれる。

 豆しばのロッキーが子供を産んだという知らせを近所の多田さんから聞いてそのうちの一匹を譲っていただいた。私が中学一年になった春のこと、マロンは私の弟になった。

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