青空までも抱きしめて
樹 亜希 (いつき あき)
お散歩コース
私はマロンと一緒に朝早く、家を出て公園の周りを散歩するのが日課である。
高校一年の夏休みは始まったばかりで楽しいことがたくさん待っていると思っていた、昨日までは。
「おおい、俺を置いて行くなよ。一緒に行こうって言っただろ。未沙、おい、聞いているのか?」
「ごめん、あまりにもマロンが早く行こうって鳴くんだもん。陸斗が本気だって思わなかったから……」
私と陸斗は中学からの友人だ。私はバトミントンをしていたが高校入試の時にやめてしまったが、陸斗は最後までバトミントンをやめなかったし、高校でもバトミントン部に入部した。今度合宿に行くから、今は少しでも走り込みをしたいと言っていた。
朝日が昇るとマロンは私を必ず顔舐めして起こしてくれる。
豆しばのロッキーが子供を産んだという知らせを近所の多田さんから聞いてそのうちの一匹を譲っていただいた。私が中学一年になった春のこと、マロンは私の弟になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます