認識は変えられるのか

 体の痛みは、血流低下や組織の損傷によって生じた発痛物質が患部に留まり、侵害受容器から脳に痛みの信号を伝達します。痛みの持続性や強さは脳に記憶され、慢性化に関係することがあります。

 炎症がおさまり、痛みがやわらいだあと、患部の発痛物質を取り除くには、血流を改善させる必要があります。血流改善には、マッサージや運動による筋肉、血管の収縮があります。リンパ管中のリンパは体の動きと筋肉の働きによってリンパ管を流れ、リンパ節に集められ次第に大きな流れになり、鎖骨のリンパ節から血管に戻ります。リンパ液によって運ばれた物質は一つ以上のリンパ節を通過し、リンパ液が血流に戻るまでの間に異物はリンパ節で取りのぞかれ、破壊されます。

 一方、痛みは脳に記憶されます。痛み刺激を受け続けるほど、その時の出来事や感情とともに脳に記憶され、慢性化した痛みとして知覚します。

 こうした痛みには、認知行動療法といって、痛みを生じない動作を少しずつ覚え、大丈夫だと自信をつけていくこと、こうすれば大丈夫、痛くないという記憶に置き換えていく方法があります。痛みのもとになる行動と、痛みに対する認識(克服できるものとして)を変えていくのです。

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