シーン1-4/チュートリアル
「ヘッヘッヘ! 俺達は正々堂々の戦いが大好きな山賊団なんでなぁ、本物の戦いを教えるためにも、まずは色々とお節介を焼かせてもらおうかぁ!」
「来いっ! ……え?」
「ヘッヘッヘ、いい返事じゃねぇか。こっちも気合いが入るねぇ。
それじゃあまずは大前提、戦闘の目的からだ。"状況に抗い、自分に都合のいい運命を押し通す"。こいつが戦闘の目的になる。
運命を押し通すには、相応の段階を踏んで儀式を執り行う必要がある。この一連の儀式の中でも、相手が存在して互いに運命を押し付け合う行為が"戦闘"って呼ばれるわけだな。
じゃあ、戦闘と呼ばれる儀式に必要な相応の段階とは何か? 野郎ども、説明してやんな!」
「ヒッヒッヒ! 戦闘では、"ラウンド"って呼ばれる時間単位で儀式を進めるのさ。ラウンド単位で進む儀式の事は、"ラウンド処理"って覚えておくといいぜぇ」
「フッフッフ! ラウンド処理には決まった段階があって、運命を押し通そうとする奴は、その流れに従わなきゃならない。なにせ儀式だからな。
ラウンド処理の具体的な流れについては、こっちの板に……よっこいせ。こいつに纏めてある。よく読んでおくといいぜぇ」
★ラウンド処理
①:【先制力】判定
自陣と敵陣、どちらの陣営が先手を取って行動するかを決定する。【先制力】判定に勝利した陣営は「先攻陣営」、敗北した陣営は「後攻陣営」となる。
↓
②:戦闘配置の決定
戦場を構成する「自陣エリア、前線エリア、敵陣エリア」の3つのエリアの内、自陣エリアまたは前線エリアのどちらかに、戦闘に参加するキャラクターを配置する。
↓
③:セットアッププロセス
ラウンドの開始。ラウンド処理に参加するキャラクターは「未行動状態」となる。
↓
④:先攻陣営のメインプロセス
先攻陣営の未行動状態のキャラクターが、任意の順番でメインプロセスを行なう。
④-1:ムーブアクション
移動などを行なうタイミング。
④-2:マイナーアクション
判定を伴わない行動などを行なうタイミング。
④-3:メジャーアクション
判定を伴う行動などを行なうタイミング。
④-4:メインプロセス終了
メインプロセスを終えたキャラクターは未行動状態から「行動済み状態」となり、同じ陣営の次のキャラクターがメインプロセスを行なう。
↓
④~の繰り返し。
↓
⑤:後攻陣営のメインプロセス
先攻陣営の全員が行動済み状態になった後、後攻陣営の未行動状態のキャラクターが任意の順番でメインプロセスを行なう。
⑤-1:ムーブアクション
⑤-2:マイナーアクション
⑤-3:メジャーアクション
⑤-4:メインプロセス終了
↓
⑤~の繰り返し。
↓
⑥:クリンナッププロセス
後攻陣営の全員が行動済み状態になった後、ラウンド処理が続く場合は次ラウンドのセットアッププロセスへ。ラウンド処理が終わる場合は戦闘の儀式が終了する。
「ヘッヘッヘ! 大雑把なラウンド処理の流れはこんな感じだぁ。
それぞれのタイミングで色々とやれる事はあるが、そいつに関しては各自でスキルやアイテムの行動に適したタイミングを確認するこったなぁ」
「ヒッヒッヒ! 流石は説明上手のお頭さんだぜぇ!」
「フッフッフ! 昔から上手かったもんなぁ!」
チュートリアル山賊団による、ラウンド処理の解説。最初こそ面食らっていたが、彼らの話を聴いて、俺は評価を改めていた。
「チュートリアル山賊団、意外と強敵かもしれない……!」
「へ? どうして? あんなの、ちょっと説明が上手いだけの山賊じゃ――」
「そうじゃない! あれだけ簡潔で要点を押さえた説明……ルールに習熟する事が、どれだけのアドバンテージを生むと思ってるんだ!?」
「な……なんですって!?」
「ヘッヘッヘ! やっと俺達のヤベぇヤバさが伝わったなぁ! さぁ、そろそろ儀式を始めるとしようか!」
ラウンド処理について記された板を道端の木にそっと立てかけ、俺達に対峙するチュートリアル山賊団。
いよいよ、初戦闘の火蓋が切って落とされる――!
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