【別府・2】包囲されないようにしたら囲まれちゃった。
別府城北10町(1km)
中条藤資
(揚北衆のナンバー1)
物見が帰ってきた。
既に別府城は防備を固めたようだ。どうやら敵1000へ少し増援が行ったようだが大したことは無かろう。
3日前の戦闘で200余りの兵が死傷した。
大胡の騎馬は危険だ。
あれは手筒か?
あれを連射して突っ込んできて中央突破された。
大した威力は無かったらしく、樋側胴を貫通することは無かった。しかし顔や関節に当たったものは悲鳴を上げて逃げたため、士気が吹っ飛んだ。
あれを防がねばならん。
しかしおかしい。
あの1000あまりの大胡勢は馬を連れていない。
全員徒だ。
どうやらここを死守するらしい。馬は城かどこかへ下がらせたか。
もう少しで城と大胡勢の間へ入る。
200程の兵を別府城への手当として残し、残り1600で鋒矢の陣で今度はこちらが中央突破したい。
が、此度は包囲戦との下令。鶴翼になり敵を半包囲する。
東からは続々とお味方が西進してくる。
これも包囲する構えだ。
南から来るであろう敵の本隊には甘粕殿の備えが当てられているようだ。
備えは万全。
あとは法螺貝を待つのみ。
別府城に動きがないか確認後、周囲を見渡し敵の影がない事確かめた。
これから先の屈辱戦ぞ。揚北衆の実力を舐めるな!
◇ ◇ ◇ ◇
別府城東方半里(2km)
上杉政虎
「大胡勢。一つの菱形の陣にて固まっております。西方は既にお味方が囲んでおり、東からの先鋒は既に鶴翼で包囲完了。準備は整ったとの知らせ」
(本庄)
「お主はどう見る?」
少し間をおいて冷静な声が返ってくる。
「様子見をしたいところですが、南からの増援が来る前に一気に叩くべきかと。敵も馬匹を下がらせましたところを見るとここを死地と定めたようです。しぶとい戦い方をするでしょうが竹束を前面に出し、押して参れば殲滅も可能かと」
幼き頃よりの軍師の声が儂の意思を固めさせた。
「法螺貝を鳴らせ。
皆の者!
敵の一隊を包囲殲滅せよ!」
鬨の声の後に法螺貝と共に、兵6000の足音が響きだした。
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