【タイトル】Phantasiaに住まう者ども

【作者】中田もな

【ジャンル】現代ファンタジー

【読んだ話数】読了

　八千文字ほどの短編作品です。

　ハロウィンモチーフのお話になっており、日常感と非現実感が入り混じっていい味出しています。短編なので細かいところまで描写はされていません。だからこそ読者が想像する余地が残されており、同時に不気味さも感じます。

　一体主人公はどうなったのか、少年はなにものだったのか。など事件が起こった日がハロウィンであり、舞台がルーマニアというのも想像力を掻き立てますね。

　サブタイトルも途中から「？」がつくことで、現実と空想の境界があいまいになっているという表現がされており、おしゃれだなと思いました。

　私は適当にサブタイつけてしまうタイプなので、このこだわりは見習いたいです。

　作品の雰囲気って個性が出ると思っています。ハロウィンとかダークファンタジーなどの怪しい雰囲気は意図的に表現するのは難しいです。しかも序盤からわかりやすく怪しい空気を出しているわけではないのに、どことなく違和感がある。そういう自然な不自然さを作りだしているのが巧みだと感じました。

　ハロウィンの怪しい雰囲気お好きな方におすすめな短編です。

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