読書感想文

忘却のジュエル 三澤愛世様

【タイトル】忘却のジュエル

【作者】三澤愛世様

【ジャンル】異世界ファンタジー

【読んだ話数】「第一章 第4話 前兆」まで

https://kakuyomu.jp/works/16816700427377880130


 冒頭から細かい設定や専門用語をかきつらねると読者に逃げられる。みたいな話を聞いたことがあります。私も物覚えが悪い方なので、序盤にいっぱい書かれると、うん。わからん。って脳が拒否する時があります。

 もちろんそれが好きって方もいます。専門用語がたくさんあるってことはそれだけ設定が作り込まれているってことですから。


 話は戻りまして「忘却のジュエル」のプロローグは創世神話から始まります。この時点で好きな人はテンションあがりますね。私はあがりました。

 神話に登場するの五つのジュエルの話やそれを授けられた家系。従者。王国など初見の単語が登場しますが、神話という形で要点をつかんで説明されるため苦もなく読み進めることが出来ます。それと同時に主人公がジュエルを守るために戦う話なんだなと大まかな話の内容が理解できてとても分りやすい。


 主人公は真剣に剣術の稽古をするアシュリーちゃん。守られ系女子ではなく戦う女子。それだけで好感度あがります。

 アシュリーちゃんが仕えるレオ君も明るく元気いっぱいな男の子という感じで好感度が高いです。理由をつけて稽古から逃げるという年相応な行動をするレオ君と稽古に手を抜かないアシュリーちゃん。

 そんなタイプの違う二人が主従。とっても美味しい。関係萌えとしてはそれだけでごちそうさまという感じです。

 そんな二人に稽古をつけているのが伝説の剣士であるおじいちゃん。少年、少女とおじいちゃんって組み合わせもまた良い……。まだまだ未熟な二人をなにかと引っ張ってくれるんだろうなとこの先の展開も想像出来て良いですね。とってもバランスの良い三人組だなと思いました。


 長編において一万字って序盤も序盤ですし、主人公たちの関係や土台となる設定などを説明する部分だと思います。この作品も主人公たちの関係や森の中で穏やかに生活している様子が、所々不穏な話を交えつつ語られます。全体的には穏やかな空気ですすみますが、第一章の四話、最後の一文が意味深。


 私の一万字計算はとってもざっくりなんですけど、狙ったような場面で区切ってしまったなと思いました。長編において一万字って導入部でもあり、引きでもあると改めて感じる瞬間です。侮れない一万字……。


 キャッチコピーは「愛と友情の王道恋愛ファンタジー」ということで、気になる方は一万字と言わず、読んでみてはいかがでしょうか。

 私ものんびり読みたいです。

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