第2章 結成

「ここまで来れば大丈夫だろ。」

「何で下水道に来たんですか。」

「ああ、あの時間に俺達だけで居ると警察に見つかった時はヤバいだろ。それに、家出だって事がバ

 レタら家に戻される。そんなの嫌だろ?」

「はい。」

 にしても、これからどうしよう。今の時間帯に出ていくと誰かに見つかるだろう。かと言ってずっと此処に居る訳にも行かない。

「匠さん。誰かこっちに歩いていたきてません

 か?」

「えっ。何処。」

こんな所に人が居るわけない。居るとしても作業員くらいだ。もしも作業員だとしたら逃げないとヤバイ。

「ほらあそこに。」

「本当だ。」

暗くて見ずらいが、確かに誰かがこっちに歩いてきている。どうやら、作業員ではなさそうだ。身長は160くらいか。取り敢えず話てみよう。

「め…をく…」

「え?」

 何か喋っているが、声が小さく、距離もあるのでよく聞こえない。

「匠さん。飯をくれって言ってますよ。」

「えっ、聞き取れたの?!」

「はい。俺耳が良いんで。」

「へ〜凄いな。」

「そうですかね?って、そんな事より早く、何か食べさせてあげないと。今にも倒れそうですよ。」

「そうだな。」

俺はポケットに入っていたおにぎりを走って渡した。

渡した瞬間勢いよく食べ始めた。よほど腹が減っていたのだろう。

「君、大丈夫?」

「はい。ありがとうございます。」

「酷く痩せてるけど。」

「一週間何も食べていなかったので。」

「そうだったの。君は何で下水道に?」

「そっちこそ。」

「僕達は家出をして。」

「貴方達もですか。」

「て事は。君も家出をして?」

「はい。」

「そうか。じゃあ、君も俺達と一緒に来るか?」

「良いんですか?」

「良いよ。仲間は多い方が多いし。」

「ありがとうございます。」

「君、名前は何て言うの?」

「西片昇太です。」

「昇太君か。良い名前だね。」

「ありがとうございます」

「年は幾つ?」

「12です。」

「てことは中一?」

「はい」

 中一か、中一で家出なんてどんな理由があったんだ。まあ、今は良いか。

「あの…」

「ん?」

「この先に僕が生活していた所があるんですけど。

 案内しましょうか?」

「良いの?」

「はい。」

「ありがとう。」

 生活していた所か。下水道の中で生活するなんてなかなか無いし、まずどうやって生活してたんだ。まあ、案内して貰って、良い所だったら俺達の拠点にするか。


「此処です。」

「凄っ」

「そうですかね?」

「何言ってるんだ輝。凄いだろ。此処は下水道なん 

 だぞ?」

「まあ、そうですけど。」


昇太に案内して貰った所には、カーペットが敷いてあり、椅子も数個置いてあった。とても下水道の中とは思えない。

「これ、どうやって集めたの?」

「まあ、大体はゴミ置き場から取ってきたやつです。」

ゴミ置き場って意外と色んな物が置かれてるんだな。

「ここ、俺達の基地にして良い?」

「その俺達に、僕も入ってますか?」

「勿論」

「じゃあ良いですよ。」

「ありがとう」

やっと俺達にも生活する所ができたな。

「匠さん。名前どうするんですか?」

「名前って、何の名前?」

「ほら、昇太が入ったからこれで立派な集団じゃないですか。」

「そう言う事か。」

確かに三人いれば立派な集団だな。にしても名前か。何にしよう。

「良いのない?輝。」

「俺は前から青年革命隊って言うのを考えてたんですけど。」

「青年革命隊か。」

確かに良いけど。二人は中学生だからな。高校生だけの集団とかなら青年でも良いと思うけど。

「青年より少年の方が良くない?」

「確かにそうですね。」

「じゃあ少年革命隊で良いか。それで良いか?昇太。」

「はい。僕はどんな名前でも。」

「そうか。じゃあ決まりだな。」

色々あって少年革命隊が結成された。

一体俺達はこれからどうなって行くのだろうか。

まあ、でも取り敢えず生活する場所ができて良かった。

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少年戦争 @gekokujyo

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