花言葉 アンズ

 花言葉を調べていると、時々、どうして今日なのかしらと疑問に思う花が出てきます。

 先日のブドウやリンゴのように、その果実が時期であるなら、まだ分かるんですよ。でも、10月2日の誕生花『アンズ』は花も果実も時期を過ぎていると思うんですよね。


 アンズと聞くと、アンズ飴が思い浮かぶ人も多いかもしれませんね。他にも、ジャムや干しアンズ、お酒にもなります。生食より加工していただくイメージが強いような気がしますね。

 日本でも、青森や長野で栽培しているようですが、生食用は少ないのでしょうかね。あまりスーパーで見かけることはないと思うんですよ。


 アンズの種は古くから薬として用いられています。

 杏仁豆腐と言えば、中国のスイーツ代表のような気がしますが、実は、アンズの種から作る咳に効く薬、杏仁キョウニンを服用するための、薬膳料理なんですよ。

 アーモンドエッセンスで香りつけをして、季節のフルーツと一緒に頂くフルーツポンチ風の杏仁豆腐が広まることで、スイーツの印象が強くなったのかもしれませんね。


 ちなみに、この杏仁豆腐を作ったとされるのが中国、三国時代の名医の一人。山奥に住んでいたとされる、呉の董奉とうほうという人物です。

 董奉を頼った多くの民は、とても貧しかったそうです。その為、彼は治療費を受け取ることはなかったそうです。その代わりにアンズの苗木を植えるようにお願いしました。難病が治った者には5株、軽い病の者には1株。

 病が治った患者たちが植えたアンズの苗木は立派な林となり、たわわに実をつけたそうです。その実を欲しいという人には、穀物と交換したというのですから、なんとも欲のない名医だったのですね。


 アンズの花は春、実は夏になります。昔の人は、実を楽しんだあとに秋に種から薬を作り、寒い冬に供えたのかもしれませんね。


 さて『アンズ』の花言葉は『臆病な愛』『乙女のはにかみ』『疑い』『疑惑』です。


 アンズは桜よりも先に花を咲かせます。まだ少し寒さが残る春先に、愛らしい花姿を見知ることから、恋する乙女のような花言葉がついたのかもしれませんね。なお、疑い、疑惑は、アダムとイブの食べた知恵の実がアンズだった説からきていると思われます。

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