ダイナー
Jack Torrance
ダイナー
ミズーリ州ウエストプレインズを走るルート63。
ウエストプレインズの終点の交差点に因んでビルバードンブールバードと名付けられたルート63沿いに構える年季の入ったダイナー。
旅行中の奴でも瘋癲の流れもんでも寄ってくれた客にまたこの町に来てくれよという願いを込めて名付けられた。
時刻は深夜1時15分を回ろうとしていた。
ミズーリは湿潤大陸性気候で夏は暑く冬は寒い。
10月も終盤に入り落葉樹は色付きを日に日に深め人々は本格的な寒さの到来に備えて衣替えや冬支度に余念が無い。
ビルバードンブールバードの中は適度に暖房が効いており暖かく店主のキップ リンゲルは店内に6人いる客のオーダーを片付けて納得いかなそうにズボンのポケットからケントを取り出し一服を始めた。
ドゥアージの野郎。
何が給料が安いでやってらんねえだ。
こちとらコンビニだの24時間営業のファストフード店なんぞに食うか食われるかっていう瀬戸際なんじゃ。
ドゥアージはキップが雇っていた黒人コックだったが2日前にキップと大喧嘩して前掛けを叩き付けて辞めていった。
2日前の夜中は閑古鳥が泣いていた。
そして、二人の阿呆鳥がエキサイトしていた。
口論の原因は口でしゃぶってもらうか派かおっぱいで挟んでもらうか派かという8年生のガキの喧嘩みたいな他愛も無い論争に起因していた。
尚も続く論争。
コカ コーラ派かペプシ派か。
オードリー ヘプバーン派かヴィヴィアン リー派か。
カンザスシティのチームで応援するならロイヤルズ派かチーフス派か。
男前ハゲランキングはブルース ウィリス派かジェイソン ステイサム派か。
キップはすっかり禿げ上がりドゥアージは薄毛に悩んでいた。
二人の口論はトランプvsクリントンのネガティヴキャンペーンの再来のようであった。
その口論の果がドゥアージの賃金問題にどうやって派生していっったのかは雄弁な言語学者でも後世に伝えるのには筆舌に尽くし難い語り草であった。
キップ リンゲル、66歳、カーネル ドゥアージ、38歳の秋の夜長の出来事だった。
昼間はキップの倅夫婦が店を切り盛りして夜はキップとドゥアージの二人で切り盛りしていた。
昼の方が客の入りはいいのでウエイトレスのエスペランカと言うヒスパニックの女を雇っていた。
エスペランカは気立ても良く客の評判も上々だったので良い看板娘になってくれて重宝していた。
それに比べてドゥアージの野郎は…
キップは思い出しただけで蟀谷に浮き上がった血管がプチンと切れて脳出血ならぬ皮下出血しそうだった。
キップは短くなった煙草を吸い殻でこんもりとなった灰皿で揉み消し間髪入れずに次の煙草に火を点けた。
ドゥアージの野郎、4年も面倒見てやったのに。
泣きを入れて来ても赦してやんねえからな。
キップが煮え滾る怒りを喫煙という悪癖で沈めていたら店の入り口の扉が開いて男が一人入って来た。
町の図書館司書をしているリュック プラインだった。
リュックはもうじき四十に手が届こうとしていたが浮いた話の一つも無い。
非番の前日は仕事が引けるとドライブインシアターでエドガー アラン ポー原作の『アッシャー家の惨劇』や『大鴉』や『黒猫』などを二本立てで観て帰りにキップのダイナーで食事をして帰宅するというのを習慣としていた。
色白で小太り。
面構えは中の中。
ゲイとかバイセクシュアルの人からはアタックされるかも知れないが女性となるとゴシックやオカルト好きなリュックに興味を示す女はいなかった。
世の中を隈なく探せばいるのだろうがリュックの近辺にはそういう女性は現れなかった。
キップはリュックを見るなり鴨が葱を背負って来たとばかりに顔を綻ばせた。
大事なお得意様。
それも大食漢のリュック プライン様じゃ。
今日もたんまり飲み食いしていってくれよ。
キップの脳内でカタカタカタカタと電卓を叩く音が反響している。
リュックがいつも座るカウンターの定位置に腰を下ろした。
「いらっしゃい、リュック。今日の映画はどうじゃった?」
「『モルグ街の殺人』を観たんだけどヒロインのシドニー フォックスが艶っぽくて実に良かったよ」
キップが揉み手しながらリュックに促した。
「今日は何をご所望かのう?」
リュックは今宵はこれで腹を満たすと決めていたメニューをすらすらと注文した。
「ポークチョップにコールスロー、それとWチーズバーガーとフライドポテトとルートビールを頼むよ」
キップの脳内で電卓がカタカタと音を立て燕が餌を銜えて雛が待っている巣に向かって滑空するかのように紙幣に羽が生えてレジの中に吸い込まれて行く映像が鮮明に映った。
「あいよ、ちょいと待っててくれんかのう、リュック」
キップは厨房に戻りバンダナを締め直すと手際良くオーダーの品に取り掛かった。
キップがリュックのオーダーを作っている時にまた入り口の扉が開いて女が一人入って来た。
アッシュブロンドのショートカットで顔は小顔で可愛らしい女だった。
歳の頃は30前後かと思われるが20そこそこと言ってもいいくらい肌にも艶があった。
ブルージーンズにボルドーのカヴァーオールのパーカー。
キャメルの膝丈まであるトレンチコートを羽織ってコートの襟もとからフードを出してアクティヴな印象だった。
女は店内の暖房に気を良くしトレンチコートを脱ぐとリュックの座っているカウンターに向かいリュックから椅子を一つ飛ばして座った。
キップがリュックのオーダーにひと段落つけて手を止め注文を聞いた。
「お嬢さん、うちの店は初めてじゃのう」
女はにこりと笑って答えた。
「ええ、そうね。仕事の転属でこっちに来たばかりなのよ」
「へえ、そうなのかね。うちの店を贔屓に頼むよ。何にするかね?」
「お腹は空いてないの。ホットコーヒーと甘い物は何があるの?」
「タルトに白桃アイスを載せてクランベリーソースを掛けた物とかカスタードパイとかドーナツくらいじゃの」
「白桃アイスにクランベリーソースかあ。何だかタルトが美味しそうねえ」
「ああ、お嬢さん、これはわしが最近作ったんじゃがほっぺが落ちるくらい甘くて美味いんじゃよ」
「じゃあ、それにするわ」
キップがリュックの方に向かって言った。
「リュック、済まんがこちらのお嬢さんの注文はすぐみ片付けられるんで先に済ましても構わんかのう」
リュックはリチャード マシスンの『縮みゆく男』のペーパーバックを読んでいた。
リュックはキップに尋ねられて顔を上げた。
「ああ、いいよ」
その時、横の女に目をやると、その顔は図書館で三度ばかし目にした顔だった。
図書館の利用者カードで名前は確かイザベル メイヤー。
リュックは可愛らしくて華奢なように映るが我が州が誇るギリアン フリンとかジェイムズ エルロイとかヴァイオレンスな作風の本を借りているなという意外性でもよく覚えていた。
そして、リュックはこんな女性が彼女だったらなあという淡い恋心も彼女に抱き始めていた。
リュックは女慣れしていなかったので敢えて自分からは話し掛けずに彼女が話し掛けてくれないだろうかと淡い期待を抱いた。
自分が図書館の司書で何度か会った事があるので覚えていてくれないかなと神にも祈る気持ちだった。
「悪いのう、リュック」
キップがイザベルのオーダーに取り掛かる為に厨房に戻って行くとイザベルはハンドバッグから、この前図書館から借りて来たローレンス ブロックの『皆殺し』のペーパーバックを取り出して読み出した。
貸し出しの業務はその時は他の司書が担当していたのでリュックは知らなかったがまた凄い本を読んでいるなという思いと僕の事を覚えてくれていなかったんだなという落胆な気持ちでリュックは『縮みゆく男』に視線を戻した。
キップが5分くらいでイザベルのコーヒーとタルトを運んで来た。
イザベルがペーパーバックから顔を上げてティーンエイジャーの女の子のように可愛らしく言った。
「ウワー、美味しそう。頼んで正解だったわね」
リュックはその黄色い声を聞いて胸が時めいた。
可愛いなあ。
こんなキュートな女性なのにこんなヴァイオレンスな本を好んで読むんだなあ。
人は見掛けによらないもんだなあ。
イザベルはコーヒーとタルトを楽しみながら読書に耽っていた。
10分ほどするとリュックのオーダーも運ばれて来た。
「お待ちどうさん」
キップがリュックの前に料理を並べる。
リュックは空腹だったので料理にむしゃぶりつきたい衝動だったが横にイザベルがいたので上品に食べようと心掛けた。
フライドポテトを食べようといつもの位置に手を伸ばすがマスタードとケチャップが置いてない。
あれっと思ってカウンターを見渡すとキップが置く位置を間違えたようでイザベルの前に置いてあった。
リュックは気不味いながらも申し訳無さそうにイザベルに頼んだ。
「ごめん。マスタードとケチャップを取ってもらえるかなあ」
イザベルが夢中になって読んでいるペーパーバックから顔を上げてリュックを見た。
「あら、ごめんなさい。あたしったら全然気付かなくて」
リュックはイザベルの人当たりのいい物腰にも好感を抱いた。
イザベルがリュックの前にマスタードとケチャップが入ったトレイをずらしてあげた。
リュックは申し訳無さそうに謝礼を言った。
「ありがとう。済まないね、読書中に」
「いえ、いいのよ。気にしないで」
イザベルがそう言って、また視線をペーパーバックに戻そうとした。
リュックは勇気を振り絞ってイザベルに話し掛けた。
「何度か図書館で会った事があるよね」
イザベルはその一言にリュックの顔をよく見て思い出そうとしたが記憶に無かった。
「あっ、ごめんなさい。ちょっと思い出せなくて」
リュックはがっかりしたが気を取り直して続けた。
「あっ、いいんだよ。気にしなくて。僕は図書館で司書をしてるんだよ。何せ僕は存在感の無い男だからね」
「えっ、そうだったの。ごめんなさい。ハー、あたし、全然覚えてなくて。こんな風だから今の仕事があたしに向いてるんだろうかどうかって真剣に悩んじゃうのよね」
イザベルは自分の将来を熟慮してるかのようにため息交じりで喋っていたらリュックの前に大量に並べられている料理に目が止まり目を丸くした。
「それ、全部食べるの?」
リュックは自分の大食をイザベルに悟られて羞恥を覚えたが動揺を悟られまいと明るく切り返した。
「ここのポークチョップとチーズバーガーはイケるよ。今度、試してみるといいよ」
「へえ、そうなんだ。ありがとう」
リュックとイザベルが会話をしていると入り口の扉が開いた。
コーヒーを啜りながら休憩していたキップが視線を移して時が停まった。
入って来た男は目出し帽を被ってコルトガバメントのセミオートマチックを握っていた。
強盗じゃ!!!
キップに悪寒が走った。
キップだけじゃなく、その場にいた客全員が息を呑んだ。
強盗が声を荒げて言った。
「てめえら、騒ぐんじゃねえぞ。言われた通りに金目のもんをこのバッグに入れろ。そしたら命までは奪いやしねえ。面倒起こす奴はこの場でぶっ殺す。おめえはレジの金だ、ジジイ」
キップはその声と背丈、体格に覚えがあった。
ドゥアージの野郎だ。
あの声にあの体つき。
間違いねえ。
目出し帽を被っているがその皮膚の色といい間違いなくドゥアージだと思った。
「ド、ドゥアージ、おめえ、わしが4年も面倒見てやったのに。この恥知らずめが。恩を仇で返しよってからに」
強盗が壁に向かって威嚇射撃した。
壁に掛けてあった鹿の頭の剥製が吹き飛んだ。
「うるせえ、ジジイ。てめえ、何訳の分かんねえ事ぬかしてやがんだ。これにさっさと金を詰めろ」
強盗がレジの上に布の巾着袋を投げて寄越した。
「ジジイ、俺が用意してやったプライヴェートジェットであの世に片道旅行したくなかったらさっさと入れやがれ」
キップが苦虫を噛み潰したような顔で仕方なくレジを開き巾着袋に金を詰め出した。
「こん畜生、このクソったれめが」
「ジジイ、そんな汚い言葉は使っちゃ駄目だろ。もっと良い子にしなくちゃな」
強盗が銃口でキップの頭を小突いた。
強盗がボックス席に座っている20代のカップルに歩み寄りトートバッグを渡して言った。
「おい、あんちゃんとねえちゃん。今度はおめえ達だ。これに財布やブランドもんの時計とか入れろ。入れたら次の奴に回して行け」
キップが言われた通りにレジの金を入れて客達が財布や時計をトートバッグに入れて順繰りに回して行く。
「畜生、ドゥアージめ。おめえに天罰が下るように毎日神に祈ってやる」
「うるせえ、ジジイ。てめえ、さっきから訳が分かんねえ事ばっかぬかしやがって。どたまに一発ぶち込んで風通しでもよくしてみっか、このクソジジイ」
トートバッグがリュックの所に回って来た。
リュックも言われた通りに財布と時計を入れてどうか命だけは助かりますようにと願った。
萎縮していく客と自分を目にして正しくさっきまで読んでいたマシスンの縮みゆく男女だなと自己憐憫に浸りながらイザベルにトートバッグを回した。
「無念だけど言われた通りに差し出した方が身の為だよ。こういう時は犯人を刺激しちゃ駄目なんだ。よく刑事ドラマとかであるじゃないかい」
リュックが小声でイザベルに箴言した。
イザベルが肩をすくめて言った。
「ええ、あなたが言うように大人しくしていた方がいいようね」
イザベルも皆と同様に財布と時計をトートバッグに入れた。
強盗がレジに歩み寄りキップから引っ手繰るように巾着袋をもぎ取った。
「ジジイ、てめえの仕事は終了だ。後は棺の中ででもゆっくり休んでてくれや」
「ドゥアージ、覚えておれよ」
キップが惜しまれつつも旅立った友人を見送るように巾着袋を見やり強盗に吐き捨てた。
「うるせえ、ボケジジイ。よし、そこのねえちゃん。そのバッグ持って来な」
最後にバッグが回って来たイザベルが指名されて大人しく言われた通りに強盗の所に金品が入ったトートバッグを持って行った。
強盗が銃口をイザベルに突きつけて巾着袋を握っている左手で差し出されたトートバッグを掴もうとした。
すると、イザベルは大人しく渡す風に見せ掛けて強盗の虚を衝き懐に潜り込んで銃を握っている右手の手首を両手でロックして捻り上げた。
強盗が銃を床に落とした。
そのまま前膊を自分の右肩に当てると思いっきり関節が曲がらない方向に押し曲げた。
ボキッ
「アッーーーーーー」
腕が折れる音がして強盗の悲鳴がダイナーの中に響き渡る。
強盗はそのまま一本投げで床に投げ飛ばされた。
すかさずイザベルは銃を壁の方に蹴り飛ばし男をうつ伏せにして折れた腕を絞り上げた。
「ギャアッーーーー」
強盗が子供のように泣き喚く。
「誰か男の人手伝ってちょうだい」
イザベルがキップや客に向かって応援を求める。
リュックはイザベルの勇敢さと男勝りの肝の据わり方に感服し唖然として眺めていた。
三人の男が強盗を押さえ付けてキップが911に連絡した。
受話器を置いたキップが押さえ付けられている強盗の目出し帽を引っ剥がして罵声を浴びせた。
「この恩知らずの極悪もんが。ドゥアージ、わしの目を見てさっきのように勇ましく吠えてみろ」
キップがすけこまし好色色男よろしく!
キスの前に女性の顎を親指と人差し指で上に向かせるように強盗の顔を持ち上げると見ず知らずの奴だった。
?????
キップが一体どういう風の吹き回しだと小首を傾げていると入り口の扉が開いて男が入って来た。
「ド、ドゥアージ」
キップが入って来た男に向かって叫んだ。
店にいた客達も一斉にドゥアージに視線を走らせた。
きょとんとするドゥアージ。
何事かと瞼を瞬かせていた。
通報から6分後に巡回中の巡査が来て強盗を引き渡した。
年配の巡査がイザベルの上腕をポンポンと叩いて労をねぎらっていた。
ドゥアージが事の成り行きを呑み込んだようでキップに口を開いた。
「親父さん、事無きを得て良かったよ。この前はごめんよ。俺、あの後よく考えたんだけど親父さんに世話になってて恩に感じているのについ口から出ちまったんだ。赦してくれるならもう一度俺を雇ってくれないかい」
キップが今までドゥアージに抱いていた感情やさっきの強盗の件で疑ってしまった事を恥じいドゥアージに語り掛けた。
「ドゥアージ、もういいんじゃよ。わしも悪かった。おめえに謝んなきゃいけねえ事もたんまりある。済まんかった。わしを赦してくれ。おめえが良けりゃ明日からまたやり直しだ」
キップがドゥアージの肩を叩いて仲は修復した。
キップがドゥアージと仲直りし客達が事情聴取されている間にリュックは紙ナプキンに自分の番号を書いていた。
これをイザベルに渡そう。
彼女こそ僕の理想の女性だ。
可憐な花のように華奢に見えて実は芯が強い頼り甲斐のある女性。
彼女こそ僕が今まで探し求めていた女性に違いない。
リュックは確信を深めイザベルに歩み寄った。
「君、さっきの凄かったね。僕、びっくりして言葉も出なかったよ。どこであんな護身術を習得したんだい。君みたいに可愛らしくて華奢な女性があんな風に強盗を撃退するなんて信じられないよ。さっき仕事に向いてないって言ってたけど何の仕事をしてるんだい?」
イザベルが恥ずかしそうに言った。
「実はあたし警官なのよ。最近、こっちに転属して来たばかりなのよ」
「へえ、そうだったのかい。君みたいなキュートな女性が警官なんて凄いなあ。通りで強い筈だよ。これ、僕の番号なんだけど宜しければ友達としてからの付き合いでもいいので電話してくれないかなあ」
リュックが紙ナプキンに書いた番号を渡そうとした。
イザベルが返答に困って済まなさそうに言った。
「ごめんなさい。あたし結婚してるの。実は主人も警官で今夜は夜勤なの。それで、実家に寄ってたんだけど帰りが遅くなっちゃって。家は一人で何だか寂しいからダイナーに寄ったって訳なのよ」
「えっ、で、でも君、結婚指輪をしてないから独身かと思って」
確かにイザベルの左手の薬指には指輪は無かったし、どの指にも指輪は嵌められていなかった。
「あたし、指輪ってのが苦手で貰ったけどしてないの。ほんとにごめんなさい」
「いや、君が謝る必要は無いよ。こちらこそ早とちりして申し訳ない」
リュックはイザベルと気不味そうに別れた。
翌日
リュックは休みだったので8時くらいにキップのダイナーに行った。
理由は単純明快。
昨日は結局食事にありつけなかったという事ともう一つ。
イザベルへの失恋。
やけ酒とやけ食いに埋没して傷心を慰謝した。
キップとドゥアージが仲睦まじく休憩中に煙草を吸いながら冗談を言い合って夫婦のようにふざけ合っていた。
結局、この前の論争の結末は口でしゃぶってもらって、おっぱいで挟んでもらえば喜悦の極みだという意見で合致した。
眠らないダイナー、ビルバードンブールバード。
人恋しい夜。
人々はそこに集う…
ダイナー Jack Torrance @John-D
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