コラージュ・フィクション

ビダイ物語

第1話 ぼくたちのおじさん

若い担任が、おじさんを拾ってきた。


ぼくたちのおじさんとして、世話をするように伝えられた。


ぼくたちは、羽の生えたおじさんのエサが腐った生ごみと聞き、驚いた。


給食の残飯をベランダで腐らせて、おじさんに与えた。


教室には、鼻を突く臭いが充満した。


ぼくたちは、ガスマスクをして、おじさんにエサを与えた。


おじさんは死んだ。


若い担任は、ぼくたちに話合わせた。


死んだ原因について、議論が分かれた。


次にぼくたちのおじさんになるのは、誰なのか。


おじさんの羽は何のためについていたのか。


死んだおじさんは、ベランダでウジ虫のエサになっていた。


チャイムが鳴り、ぼくたちは、笑い声を上げながら下校した。




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