中2の従姉は夜のおむつがまだらしい

はおらーん

中2の従姉は夜のおむつがまだらしい



「あら、カズくん大きなったやんか。何年生になったんやっけ?」


「5年生」


「そう、前に会ったときはこんな小さかった気がしたんやけど…」


叔母さんは自分の腰くらいの位置に手を置いて、強めの関西弁で楽しそうに話す。「そんなに小さくないよ!」と反論したが、数年ぶりに会った叔母さんにまごまごしながら、おばあちゃんの家の敷居を跨いだ。


叔母さん一家は一足先に着いていたようで、すでに部屋に荷物を移動して居間でくつろいでいる。居間に入ると、待っていたおばあちゃんや叔父さん達が出迎えてくれた。


「カズくん久しぶりやね」


最後に声をかけてきたのは従妹のお姉ちゃんだった。最後に会ったのは茉希ねえが4年生か5年生くらいの時だっただろうか、その時は一緒に田んぼを駆け回って遊んだのを覚えている。中学2年生になった茉希ねえは、どこか大人びてクールな印象になっていた。ちゃぶ台の上にノートを広げて勉強しているようだった。


「うん、茉希ねぇ久しぶり。夏休みの宿題?」


「宿題はもう終わったよー。塾の課題とかかな」


あんたも茉希ちゃんのこと見習いなさいよと、お母さんに頭にはたかれるのを見ながら、茉希はクールな表情を少しだけ崩してニコッと笑った。一緒に田んぼや山を冒険したおてんばな茉希ねえはいなくなって、まだ小学生の僕にとってはものすごく大人なお姉さんのように感じられた。



「お前さんら、お風呂湧いたからさっさと入り」


晩ごはんも食べ終わり、大人たちは残った刺身をアテにお酒を飲んでいる。小さい順に風呂に入れと言われ、僕は見ていたテレビを途中で諦めてお風呂に入った。まだ小学校に入る前は茉希ねえと一緒に入った記憶もあったが、さすがに今となっては無理に違いない。わずかな望みにかけて茉希ねえの方に目を遣ると、テーブルの上にひじをついてスマホを触っていた。


お風呂から上がって「出たよー」と脱衣所から叫ぶと、おばあちゃんの「ハイハイ」という返事が聞こえ、叔母さんが茉希に次にお風呂に入るよう伝えているのが聞こえた。まだ肩にタオルをかけてパンツも履いていない状態だったが、ガラッと脱衣所の扉が開く音が聞こえた。


「あ、まだ着替えてへんかったん。カズくんやからええか」


着替えと歯磨きセットの入った袋を抱えた茉希ねえが立っていた。思わずタオルで大事なところを隠したが、ばっちり見られたと思う。まだ思春期とまではいかないが、年の近い異性に裸を見られるのは恥ずかしい。急いで後ろを向いてパンツを履いた。


「私が見るのはええけど、カズ君は私のは見たらアカンで」


茉希に促されて、僕はそそくさと着替えて脱衣所を出た。居間に戻ると、テーブルの上にはおばあちゃんが切ってくれたスイカが並んでいた。


3切れ目のスイカに手を伸ばしたところで、僕は脱衣所にバスタオルを置いたままにしていることに気づいた。お母さんから、使ったタオルは家で洗濯するからそのまま脱衣所に置いとかないようにと言われていた。茉希ねえがお風呂にいるなとは思っていたが、まだ15分も経っていないしまだ出てこないだろうと軽く考えて脱衣所に向かった。



ガラッと脱衣所の扉を開ける。


「イヤァ!なになに!?」


そこには着替えの途中で下着姿の茉希ねえがいた。とっさにバスタオルを体に巻き付けて、体を見られないように守った。


「あ、ご、ごめん!タオル取りにきただけで…」


「わかったから早く出て行って!」


普段はクールな茉希ねえがヒステリックに叫ぶのは初めて見たかもしれない。僕は急いでカゴからタオルを拾い上げて急いで脱衣所を出ていった。


「最近茉希はシャワーしか浴びんのよ。お風呂あがるのも早くてね、驚かせちゃってごめんね」


脱衣所から戻ると、少し酔っ払った叔母さんが半笑いで教えてくれた。そういうことは僕が脱衣所に行く前に教えて欲しかったと思う。そうこうしていると、脱衣所から着替え終わった茉希ねえが出てきた。無地のTシャツにジャージのハーフパンツを履いて肩にはタオルをかけている。心なしか、すこしハーフパンツが厚っぼたく見えた気がした。


「怒鳴ってもてごめんな、ちょっとびっくりしてもうて…」


逆に茉希ねえから謝られた。


「ううん、僕こそノックもせずに入っちゃって」


「ええよ、もう済んだことやから」


お風呂で火照っていたのか、茉希ねえの顔は真っ赤になっている。一緒に座ってスイカを食べるかなと思っていたが、茉希ねえはそのまま部屋へ行ってしまった。茉希ねえの家族と僕の家族で一部屋ずつ使っている。おばあちゃんの家は広く、10畳以上の部屋をひと家族で使うことになった。茉希ねえの部屋とはふすま一枚で仕切られているだけだった。


……茉希ねえ、一体何を履いていたんだろう…?


一瞬のことで、よくはわからない。でも自分の知っている女の子パンツとは明らかに違っていたのはわかった。白くて厚ぼったい。腰回りはすこしヒラヒラしていたような気もする。ピンク色っぽい柄も前面についていた。


…パンツ以外に寝る前に履くもの…。おむつ…?


一瞬赤ちゃんが履く紙おむつをイメージしたが、その考えはすぐに消える。しっかりものの茉希ねえがおむつ履くなんてあり得ないし、そもそも中学生にもなっておむつを履く必要なんてないはず。今までも茉希ねえからそんな話を聞いたことは一度もない。


「カズ!あんた、そんなにスイカ食べたらおねしょするよ。もう遅いしさっさと部屋に行きなさいよ」


おねしょというワードに、一瞬頭を覗かれたような気がしてドキッとした。記憶がある限り、最後におねしょしたのは2年生くらいだったと思う。お母さんに促されてトイレに行った後に部屋に戻る。隣の部屋からは光が漏れているので、茉希ねえはまだ起きていると思う。「何履いてるの?」って聞こうとも思ったけど、さすがに5年生にもなってお姉ちゃんにパンツのことを聞くのは躊躇われた。まだ時計の針は9時を少し過ぎたころだったが、もしかして茉希ねえおねしょするのかな…と物思いにふけっているうちに、先に眠気が来てしまった。





「うそ、茉希ちょっと起きて」


「ん、うん…、なに?」


「お布団汚れとるよ、漏れてるやんか」



「……うわ!ヤバ…、お母さんどうしよ…」


「とりあえず着替えよ。おばあちゃんもアンタのことわかってるから。お母さんきちんと話しといてあげるから、ね?」


「うん…」


何やら隣の部屋から聞こえるひそひそ声に、僕の目はぱっちりと覚めてしまった。いつもは10時を過ぎてからベッドに入るのに、昨日はなぜか9時過ぎに寝入ってしまった。眠い目をこすりながら壁の時計に目を遣ると、まだ6時を少し過ぎたばかりだった。


「とりあえずココに立って。冷えると風邪ひくから先におむつ脱いどこ」


「おむつ」と言う言葉に、僕の目は一気に覚めた。気配を悟られないように、体を固くして隣から聞こえる声に神経を集中させる。


「やっぱり履くやつは吸収量少ないんやなぁ。いつものやつにしとけば良かったね」


「うん…、でもいつものだと分厚すぎて隠せないからわざわざムーニーにしたんじゃん」


「だから部屋で寝る前に着替えればいいってお母さん言ったのに」


「部屋から出たらバレるじゃん。カズ君とか叔母さんたちに見られるの絶対イヤだったし」


ふと出てくる自分の名前に心臓の打つ音が高くなるのを感じる。茉希ねえと叔母さんはものすごく小さい声で会話しているが、田舎の早朝ともなると2人の会話を邪魔するものは何もない。意識を向けると会話のほとんどを聞くことができた。昨日僕が想像したことは全て正しかった。茉希ねえは昨日お風呂場でおむつを履いていた。それは中学生にもなっておねしょの心配があるからだった。


「お母さんシーツ片付けるから、茉希はさっさと着替えてしまい」


「うん、わかった」


中学生がおむつを履いてるってどんな感じなんだろうと純粋に疑問に思った。昨日たしかに茉希ねえのおむつ姿を見たけれど、ほんの一瞬の出来事だった。幸いお父さんとお母さんは昨日たくさんお酒を飲んだからか、まだいびきをかいて布団にくるまっている。僕は、意を決して布団から抜け出し、一番端のふすまの傍までにじり寄った。


「うわ~、横漏れっぽい」


どうやら茉希ねえはちょうど着替え始めたらしい。僕は時間をかけて音が出ないように気を配りながらふすまをちょっとずつずらしていった。やっと覗けるくらいの幅ができたところで、僕は首の角度を何度も調整してようやく茉希ねえの姿を目に捉えることができた。


茉希ねえのグレーのショートパンツは、股繰りのところにシミができているのがわかった。叔母さんはしゃがんでシーツを剥いでいるところだった。よく目を凝らしてみると、手のひらサイズのシミが二つ見えた。


「一緒に洗濯しとくから、もうズボンも脱いじゃって」


「うん」


茉希はハーフパンツに手をかけて、ゆっくりと下ろす。膝まで下ろすと、床につかないように片足ずつ足から外して手でつまんだ。茉希ねえはお尻の方を僕の方に向けていたが、腰より長い髪のせいで、はっきりとお尻を確認することができない。茉希ねえが一瞬髪を描き上げる仕草をしたとき、一気に僕の見たかった姿を目の前に現れた。早朝の電気をつけていない仄暗い部屋でも、真っ白のおむつが茉希ねえのおしっこで汚れて垂れ下がっているのがはっきりとわかった。中学校で陸上部に所属している茉希ねえは、脚はスラっと長く、ふとももには健康的に肉がついている。そんな健康な下半身に、垂れ下がった紙おむつは妙に不相応で、不思議と僕の心をかき乱す。


「お母さんここで外すで?」


「ちょっと待って。汚れるかもしれんから下にコレ敷いて」


お母さんは汚れたシーツを丸め、茉希が開いた両足の間に置く。おむつを外した時、畳に汚れがつかないようにという工夫だった。


茉希はおむつのサイドに手をかけて、びりっと一息に下まで破る。反対側も同じように破ると、一旦右手でブランと下げてから、シーツの上にどさっとおむつを落とした。片手で茉希ねえがおむつを持っているときに中身が一瞬見えたが、黄色とも茶色ともつかない色がおむつ全体に染みわたっているのがわかった。茉希ねえはお尻を丸出しのまま、しゃがんでおむつを丸める。テープを器用に留めると、カラフルなHAPPYの文字が少しだけ僕にも見えた。カバンから黒いビニール袋を出すと、おむつを入れてきつく縛った。叔母さんが茉希ねえの汚れた服とシーツを持って部屋を出ると、茉希ねえもバスタオルを持って後を追いかけた。たぶんシャワーを浴びるのだろう。僕は高鳴る胸を懸命に押さえながら、布団へと戻った。次に目が覚めた時には、もう10時をとうに過ぎていた。


次の日は、茉希ねえ一家はどこかに出かけたようで、僕はおばあちゃんと一緒に畑に出ていた。


「カズぼう、あんだけスイカ食って寝小便は大丈夫やったか?」


おばあちゃんはニコニコしながら聞いてくる。


「ばあちゃん、僕もうおねしょなんてしないよ!」


ばあちゃんは、そうかいそうかいと笑顔を崩さず畑仕事に戻った。僕は自分が大した戦力になっていないなと思い、のどが渇いたと言って一旦家に戻った。冷蔵庫を開けて麦茶の瓶を取り出そうとしたとき、ふと横のごみ箱に目が行った。拳二つ分より一回りほど大きいサイズのビニール袋が無造作にゴミ箱に中に放り込まれている。



……茉希ねえのおむつだ…!


瞬間的に今朝の様子がフラッシュバックする。茉希ねえは、脱いだ紙おむつをこの袋に入れて叔母さんに渡していた。間違いない。再び僕の胸は高鳴り始める。今は台所には僕しかいない。ここで中身を確認しても誰も咎める人はいない。別に盗むわけじゃない。ただ中を見るだけだ。思いつく限りの言い訳を頭の中で繰り返し、僕は黒いビニール袋に手を伸ばした。そっと袋を指で押すと、思ったより硬い感触が返ってくる。さらに強く押すと、ぐじゅっと、一度吸収した水分が染み出すような感覚が指に伝わった。持ち上げてみると、結構な重量を感じる。



…今のが茉希ねえのおしっこ

…これが茉希ねえのおねしょおむつ


心の中で『茉希ねえのおねしょ』とつぶやいた瞬間、僕の理性はどこかにいってしまった。固結びしてあった結び目は、無理やり引っ張って引きちぎった。破れた瞬間、ツンとしたにおいが伝わる。今朝見たカラフルなHAPPYの文字が今は自分の手の中にある。ちょっとクールな茉希ねえが、毎晩恥ずかしい癖のために、みんなに隠れておむつを履いていることを思うと、ちょっと胸の奥がツンとした。スカートめくりがクラスで流行った時は、みんな何が面白くてあんなことするんだろうと疑問に思っていたが、今の自分はそれどころじゃないことをやっているんだと思うと、さらに胸が高鳴った。次はこのおむつをどうしてやろうと考えていると、ガラッと玄関の引き戸が開く音が聞こえた。


「カズぼう、ばあちゃんにも麦茶入れてくれるか」


なかなか戻って来ないカズのことを心配して戻ってきたのかもしれない。僕は急いでおむつとビニール袋をゴミ箱の下の方に押し込むと、手を洗ってばあちゃんに麦茶を持って行った。




今晩も昨日と変わらず僕が先にお風呂に入り、その次に茉希ねえがお風呂に入る。「今日は覗かんとってよ」と脱衣所ですれ違いざまに言われたが、おむつのことを知ってしまっただけに真顔でうんと答えるしかなかった。


今日の茉希ねえは、お風呂上がりにそのまま部屋に行かずに、ばあちゃんたちと一緒に居間でテレビを見ていた。視線に気を使いながら何度も茉希ねえの下半身に注目したが、どうもおむつは履いていないように見える。一度茉希ねえがリモコンに手を伸ばすときにジャージのズボンがズレ下がった時も、普通の布のパンツがちらっと見えた。


「カズもう部屋行きなさい。10時過ぎてるよ」


「え~、この番組終わるまで!」


「まぁええが。明日出るの夕方でええんじゃろ?」


おばあちゃんの援護射撃もあり、今やっている番組が終わるまでは起きていてもいいことになった。そんなやり取りを見ていた茉希ねえと叔母さんは、そっと目配せをして示しを合わせていた。


「じゃあ私もう寝ようかな。カズくんもおやすみ」


「茉希ねえもう寝るんだー。うん、おやすみ」


茉希ねえが居間を出ると、叔母さんもそっと茉希の後を追って居間を出る。今晩はおむつどうするんだろうと不思議に思っていた僕は、ふと考えが浮かんだ。お風呂場でおむつに着替えなかったということは、寝る前に履くしかない。きっと先に寝るふりをして部屋に戻ったんだと直感で思った。


「ちょっとトイレ…」


とわざわざ宣言して、僕はこっそりと部屋に戻る。すでにおばあちゃんが家族の分の布団も準備してくれていた。僕は今朝と同じように時間をかけてふすまを数センチだけ開いて覗き始めた。


「ホンマにお母さんがするん?」


「だって今日も漏れたらおばあちゃんに何て言うんよ?」


「そうやけど… いつものおむつにしたらもうトイレも行かれへんやん」


「もう今日はそのまま寝たらええやろ。もしトイレ行きたくなったらそのままおむつにしても平気やろ」


「そのままおむつになんてできるわけないやろ!」


「文句言うなら昨日みたいにムーニーにしてもええよ?その代わり漏れたら自分で片付けて洗濯しいや」


「せっかく買ったのにあんなに漏れるとはなぁ…。カズくんにバレたくないからわざわざ薄型の履くやつにしたのに…」


「はよせんとカズくん部屋に戻ってくるで」


「わかった、いつものでええよ」


2人は僕がふすまの陰から覗いているのに気づかず、どんどん茉希ねえの秘密を話している。「いつものおむつ」という言葉から、茉希ねえは家では毎日おねしょしておむつを履いているということがはっきりとわかる。僕は高鳴る鼓動を必死に押さえながら声を潜めて覗き続ける。


「じゃあズボン脱いで」


「はぁい」


茉希ねえがジャージを脱ぐとパンツにも手を書ける。真っ白なショーツの前には小さなリボンがついている。パンツも脱ぐと、綺麗にたたんでカバンの中に仕舞った。叔母さんはカバンから大きなポーチを取り出して、チャックを開ける。中から三つ折りになった大きな布のようなかたまりと、一回り小さいビニールのかたまりを取り出した。てっきり昨日みたいにかわいい柄の紙おむつを自分で履くのかと思っていた僕は少し面喰った。そもそも、そういうおむつであれば一人でこっそり履けばいいはずだ。


「来年は修学旅行あるからなぁ。治せれば一番ええけど、夜のおむつくらい自分でつけれるようにせんと」


叔母さんが愚痴っぽく言うと、「わかってるわ」とつんけんしながら茉希ねえが言い返す。叔母さんは三つ折りのモノを広げると、茉希ねえの布団の上に敷いた。ビニールのかたまりも同じように開いて開いたおむつの上に敷く。大人用のおむつ、それもテープで留めるタイプを見たことなかった僕は、最初一体何が始まるのかわからなかった。叔母さんがおむつを開いたところ、あれは赤ちゃんのおむつの大人版なんだと理解することができた。


「はい、おしり。もうちょっと開いて」


おむつを当てられ始めると、茉希ねえは借りてきた猫のようにおとなしく叔母さんの指示に従う。大きなテープタイプのおむつはすぐに茉希のお尻を包み込む。枕の上に乗せた頭は、おむつを当てられるところを凝視したくないのか真横を向いていた。おむつとパッドを当てられた茉希のお尻は、昨日のムーニーマンとは比べ物にならないほどに大きく膨らんでいる、ズボンを履くために一度立ち上がり、何度かテープの締めつけ具合を調整した。スレンダーな体に、あひるみたいに膨らんだお尻は、昨日よりも一層僕の心をかき乱した。さっきまで履いていたジャージをおむつの上から履きなおすが、どう見ても不自然なくらいに膨らんでいる。


「明日の朝は自分で片付けてよ。お母さんゆっくり寝たいから」


「できるって。ごみ袋だけ置いといて」


ジャージを履いた茉希ねえは、そんなおむつ姿を見られたくないのか、すぐに布団をかぶってスマホをいじり始めた。何分見ていたかわからないけど、居間に戻った時に叔父さんに「うんこか?」と聞かれた。関西人はそういうこと聞くのにあんまり恥じらいがないのかなとちょっと疑問に思った。



……茉希ねえホントに毎晩おねしょするんだ。あんなに大きなおむつ、それも赤ちゃんみたいなおむつをお母さんに当てられてるなんて。きっと明日の朝もおねしょしたおむつ外すんだろうな。たしか明日のお昼には帰るって叔母さんが言ってた。もう一度茉希ねえのおむつが見たい…。明日も早起きしよう。





意志の力ってすごいと思う。絶対に早起きすると心に決め、目が覚めて時計に目を遣ると昨日と同じ6時過ぎだった。昨日と同じく、僕の両親はまだ寝ている。ただ眠りが浅かっただけかもしれないが、横の部屋でもぞもぞと布団が動く音を察知して目が覚めたようだった。


3度目となれば慣れたものだ。僕は音をたてずにふすまに近づき、そっとスキマを作る。茉希ねえは既に起きていて、ちょうど着替えるところだった。息を潜めて茉希ねえのおむつ交換を見守る。


茉希ねえは、枕に頭を乗せて寝転んだままジャージに手をかける。くッとお尻を浮かすと、ジャージを膝まで下ろしておむつのテープをビリっと外していく。寝転んでいるからか、おねしょしたかどうか、どれくらい膨らんでいるかは僕の視点からは見えない。


「あ~、すごい量…」


茉希ねえの独り言で、なにが起きたか知るには十分だ。テープを4枚すべて外すと、前当ての部分をゆっくりと体から剥がした。茉希がずっしりと自分のおねしょを吸収したおむつを足側にひっぱりながらお尻を浮かせる。僕はゆっくりと膝立ちになって視点を上げると、おねしょをたっぷりと吸ったおむつの全体像を見ることができた。おむつの中心部分は変色し、一晩茉希ねえの体を包んでいたからか、股の部分はぐしゃぐしゃになっている。茉希ねえは下半身すっぽんぽんのまま一度立ち上がり、しゃがんでおむつの処理を始める。おむつの下に手を突っ込んで、シーツに漏れ出していないか確認してから、おむつを丁寧に丸める。昨日のムーニーマンとは違って、丸めた後のおむつは茉希ねえが使っていた枕と大きさがそう変わらないように見えた。枕もとに置いていた黒のビニール袋に入れると、ノーパンのままジャージを履いて、ビニール袋を持って部屋を出ていった。







もう部屋も片付けて、帰る準備はできている。大人たちは、乗り合わせて買い物に行ってしまった。毎回おばあちゃんの家に来ると、お米や乾物をたくさん買い込んで帰る。おばあっちゃんは畑に出ていたので、居間には僕と茉希ねえの二人だけになっていた。どうしようか悩んだが、思い切って茉希ねぇにこれまでのことを聞くことにした。


「茉希ねえさ」


「んー、ナニ?」


茉希ねえはダイニングテーブルに肘をついて気だるそうにスマホを触っている。塾の課題が終わるまでスマホは回収と茉希ねえのお母さんが話していたので、やっと返してもらったのだろう。僕の方を見ないで空返事のように答えた。


「もしかして病気なの?」


普段は鈍感な僕も、一瞬で空気が凍ったのを感じ取った。


「…え?何が?」


何も知らない風な返事を返す茉希ねえだったが、たぶん内心冷や汗をかいていたと思う。スマホをいじる体制を変えるでもなく、その時の茉希ねえの表情を読み取ることはできなかった。


「え、だってその…」


僕もそれ以上何を言えばいいかわからず、もじもじする。


「カズくんどうしたの?」


それ以上どうすればいいかわからず黙っていると、茉希ねえは椅子から立ち上がって近くに寄ってきた。顔を覗きこんで僕の様子がおかしいのを心配してくれたみたいだった。意を決して茉希ねえに聞きたかったことをストレートに聞いた。



「だって、一昨日お風呂場間違って入っちゃったときさ…」


さっき以上に空気が冷たくなるのを敏感に感じる。茉希ねえの方を見ると、目を見開いてじっと僕の方を見つめたまま固くなっていた。お風呂で見たことを咎められると思い、僕は必死に茉希ねえに謝った。


「茉希ねえ、ホントごめん!見るつもりなんて全然なくて…」


茉希ねえは僕の横にぺたんと座り込んだ。さっきまで僕の顔を見つめていた眼は、どこか遠いところを眺めているように見えた。


「カズくんさ、夜尿症ってわかる?」


「やにょうしょう?ううん、わかんない…」


「夜に尿って書くねんけど、要はおねしょするってこと」


茉希ねえは僕の横に体育座りになって、目だけは居間の大きなテレビに向けながら穏やかに教えてくれた。茉希ねえは生まれてから一度もおねしょが治らなかったらしい。病院にも通ったが、6年生の時に夜尿症と診断されてからは諦めて病院にも行っていないとのことだった。


「中学生にもなっておねしょ治らんなんて恥ずかしいやろ?それにおむつとれへん中学生なんて私以外に見たことないし」


茉希ねえは苦笑いしながらまた遠い目になる。


「そんなことないよ!だって病気なら仕方ないし…」


僕は精一杯茉希ねえを励ます。


「それに茉希ねえのお…」


そこまで言って言葉に詰まる。この先の言葉を言っていいのか、言ったら茉希ねえにどう思われるだろうと思って、最後まで言えなかった。


「私の…、なに?」


「えっと、その…、正直に言っていい?」


「ええよ、なんでも言って」


「あのね、茉希ねえのおむつすごいかわいかった…!」


僕は手に汗を握りながら真剣な眼差しで言った。もしかしたら変な目で見られるかもしれないし、怒られるかもしれないと思ったが、あの時思ったことを正直に話した。


「え、かわいい…?おむつが?」


テレビを眺めていた茉希ねえは、驚いたような表情で僕の方に顔を向ける。


「うん、なんかかわいいなって」


僕はその勢いで、もう一つ飲み込んでいた言葉を吐き出した。


「もう一回茉希ねえのおむつ見たい…!」


…!?


茉希ねえは驚きのあまり返事もできないようだった。しばらく無言が続いて、お互いに気まずくなる。僕が言い訳の言葉を続けようと口を開いた時だった。


「誰にも言わんとってな」


茉希ねえはそういうとその場に立ち上がって、履いていたショートパンツに手をかけた。ジッパーを下すと、隙間から一昨日見たのと同じ柄の紙おむつが姿を見せる。僕は息を飲んで茉希ねえの一挙手一投足に注目した。おむつの前面には小さく【まえ】と書かれ、ピンクや紫色の花柄がたくさんあしらわれていた。茉希ねえはジッパーを下ろしきると、もう一度ショートパンツに手をかけて、一気に膝まで下ろした。お風呂場では一瞬しか見えなかったおむつの全体像がはっきりと見える。茉希ねえはお尻の部分も見えるように、腰まで伸びた後ろ髪をかき上げてくれた。


「これだけサービスしたら満足やろ?」


茉希ねえは口元だけフフッと笑って僕の方を見た。僕は意外な展開に唖然とするしかなかった。


「絶対誰にも言わんとってな」と茉希ねえから再度釘を刺されたが、僕の耳にはきちんと届いていなかったと思う。それくらい僕は茉希ねえのおむつ姿に見惚れていた。茉希ねえの声に上の空で返事をした時には、すでにショートパンツを履きなおしていた。


「もう帰るだけなのに、茉希ねえどうしておむつ履いてるの?」


少し冷静になってから気になっていたことを聞いてみた。


「帰りの車3時間もかかるねんな。お母さんが車で寝てまうやろから、一応履いときって。3時間くらいなら大丈夫やと思うんやけどな~。ありえへんと思わん?」


おむつを見せてくれてから、茉希ねえはちょっとおしゃべりになったような気がする。おむつがバレてはいけないという気持ちがなくなって、リラックスできたのかもしれない。クールな印象の茉希ねえは、おむつを隠すためのキャラを演じていたのだろうか。


そうこうしていると、駐車場に車が戻ってきた音が聞こえる。おばあちゃんも畑から戻ってくると、両家族とも荷物を積み込んで、おばあちゃんにサヨナラを言った。来年も茉希ねえのおむつ姿を見ることができるだろうか。



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