酸いも甘いも(晃亮×遥)
①
・晃亮×遥
・攻め嫉妬
・甘々
━━━━━━━━━・・・・
お前を何処にも行かせたくない
それは、独りよがりじゃなくて。
優しい、独占欲─────…
酸いも甘いも。
side.Kousuke
「晃亮、これ片しとけ。」
はいよと食器を渡され、頷く。
俺はそれを棚の決まった位置へと納めた。
もうどれが何処にあるかくらいは、すぐに判る。
ちょっとした家事なら、ひとりでもなんとかこなせるようにもなった。
「ふん~ん~…」
ほろ酔い気分の遥は、上機嫌に皿を洗う。
その後ろ姿をぼんやりと眺めてたら…
「はるか、携帯鳴ってる。」
「ん~?」
ソファに投げ出されたままの、遥の携帯電話が震えているのに気付き。
何時までも鳴り止まないソレに気が進まないまでも、仕方なく遥に向かって声を掛ける。
遥は間延びした返事をひとつ寄越し、ぷらぷらと水を散らしながらこっちへやってくると。
震えっ放しの携帯を半乾きの手で取り上げ、無造作に通話ボタンを押した。
「もしもし~?ああ、おばちゃん相変わらず騒がしいな~。こんな時間にどしたよ?」
遥が『おばちゃん』と呼んだ、電話の相手。
それには心当たりがあった。確か親戚とかだったハズだ。
遥は愛想良く、そのおばちゃんと世間話し始める。
「…ああ、元気だよ。こないだ話したばっかじゃんよ。え?来週の日曜?…」
立ったまま話し込んでいる遥の斜め後ろ、俺は黙ってその様子を見守る。
話してる内容や、おばちゃんの要件が何かは全く判らなかったが…
俺は、この『おばちゃん』がきらいだ。何故なら…
「はぁ?見合いって…またかよ…」
なんとなく遥も予測していたのか、面倒臭そうに苦笑いする。
対して俺は遥の発した台詞にぴくりと反応して。
自分でも判るくらいに顔を強張らせた。
少し、落ち着かない…
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