キャンディ。シリーズ短編あれこれ

祷治

その髪に触れるのは…(昴×円)

・昴×円

・梅雨ネタ、攻めの嫉妬(独占欲強め)

・微エロ?(イチャイチャしてるだけ)



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side.Subaru




「はぁ~今日も雨かあ~…」



窓の外に広がるどんよりとした雨空を見上げ、

恋人である円サンが溜め息を吐く。


梅雨入り本番を迎えたこの時期は、天気も不安定で。お互いせっかくの休日だったけど…。

今日は外出を諦め、家で過ごす事になった。





「はぁぁ…こうジメジメすると、髪がうにゃうにゃしてやなんだよねぇ~。」



寝起きのままの…なんとも色っぽい乱れた姿で。

円サンは跳ねまくった自身の髪を掻きむしる。


円サンはもともと癖っ毛だから。

湿度が高いと寝癖がひどくなるんだよ~と、雨の度によくボヤいてたっけな…。




「そういえば髪、伸びてきましたね?」



ベッドに座る俺の隣りに、ちょこんとやってきた円さんの髪へと手を伸ばす。


茶色に染められたその髪は、確かにあちこちうねっていて。円サンはウンザリだとばかりに、唇を尖らせた。


そんな何気ない仕草も、愛おしくて仕方がない。





「そうなんだよね~、だからそろそろ散髪に行こうかなと思っててさ。」



円サンの兄…遥サンの事だが、

彼の知り合いの美容室にいつも行ってるそうで。

そこの店員さんがすっごくチャラくて面白いんだよ~と…楽しげに語り始めた円サン。


しかし…それを聞かされた俺の心は、途端に穏やかではいられなくなった。





「男…です、か?」


「え?そだよ~兄ちゃんの友達さんが、いつもオレの担当してくれるんだ~。」



いや、男だろうが女だろうが…そんな事が問題なんじゃない。


要は『円さんの髪に誰かが触れている』という事実に、気付いてしまったことだ。


しかも…






「その友達さん、めちゃくちゃシャンプー上手くてさ!最高なんだよね~…あの手つきが、クセになるって言うかさぁ…」



などと、俺の前で別の男の事を思い浮かべ、うっとりし出した円サンに。

俺のなけなしの自制心は、あっさりと崩れ落ちてしまった。







「ひゃあっ…!」



どすんと乱暴にベッドへと押し倒し…のし掛かる。

突然の事に、円サンは驚いて目を見開いていたが。


それを無言でじっと捕らえ、見つめれば…

円サンは困ったよう頬を赤らめた。

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