第14話 決行

私は日課の朝のニュースをテレビで観る。

今朝も、大統領が画面一杯にその仏頂面で占めて、戦線の状況を改竄たっぷりに伝えている。


淡々と話される虚言を聞くのが退屈だったのでチャンネルをザッピングしようとしたその時、その仏頂面が訝しげな顔に、そしてどうやら焦燥している様子に変わった。


画面には、いつもの男しかいなかったが、仕切りに彼から見て、右側を気にしている。


「そのまま前を向いて動くな。」

その声とともに、何者かの左腕から先とその手に握られている銃が大統領の眉間をブレることなく狙っている様子が映し出された。


瞬間、大統領は体を翻しその銃を取り押さえようと試みた。それより早く、男は右手の拳の裏拳で大統領の後頭部を殴り、大統領は机に伏した。


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