第7話 盲目

私は、今日も駅前の行きつけのパン屋でパンとコーヒーがセットのモーニングを頼む。


コーヒーの焙煎された豆の薫りが鼻孔をくすぐる。


それと同時に、眼鏡が曇る。


私は丁寧にメガネを拭いて、窓から通勤する人々を眺める。


あの人はなんの仕事だろう。何歳くらいだろう。


「ねぇ、あの人入ってない?」


「入ってるわー、世界観。」


私は、思索に夢中で後ろの店員にいじられてることに気づかない。

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