第1話 不細工な私と可愛いあの子

30歳にもなって、私はこれまでの人生を回顧する。


 年相応以上の十分な社会地位、部下から信頼もされ承認欲求も十分に満たされている。


けれど、満たされないのは何故だろう。 


新卒の部下の女性に対して同期の男どもが妙な気遣いをするをみると吐き気がする。


ずっとそうやって生きてきた。


「可愛い子はいいわよね。いつも誰かから助けてもらえるから。」

そう、年甲斐にもなくその子に言ってしまった。



だから私は強くなるしかなかった。



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