リピートライフ
花畑 空間
第1章
#1再スタート
「俺は疲れてるんだ、早くあっちにいけ!」
「いいわ、もう…いきましょう……」
なんだっけな……
目が覚めるとそこは檻の中だった、まだ冴えない頭に「早く檻から出てこい!!」という甲高い声が響く。
ここはどこなんだ、何故ここにいるんだ、甲高い声の正体は…訳も分からないまま檻を出た。
恐る恐る檻から出て、左右を確認する。
ふと目に入ったのは右隣の檻の中だった。
中には白髪混じりのやせ細ったおじさんがいた。
「おい、おじさん、檻出ないのかよ」
心配になり話しかけた
「俺はもういいんだ、何も覚えてない、お前は頑張れよ」
おじさんは弱々しい声でそう言った。
「いや、何言って…」
「こっち来てね~!!!」
僕の声に被せるようにさっきの声が聞こえた。
少し戸惑ったが、おじさんを後にした。
声のする方へ向かうと、そこには警官が2人、そして真ん中にいる声の主と思われるのは、警官帽を被った赤ちゃんだった。
「よし!集まったな~!ではこれからルールを説明する~!」
片方の警官が持っている拡声器から赤ちゃんとは思えない滑舌の声が聞こえてくる。
「ルールは簡単、今からお前たちには、人生をやり直してもらう」
赤ちゃんが淡々と喋っている中1人の男が声を上げた。
「何言ってんだよ!ここはどこなんだよ!あとこの服はなんだよ!」
言われてみればみんな黒と白のボーダー、まさに囚人といった格好だった
「はぁ、めんどくさい…」
小さく呟いたのだろうが、拡声器から聞こえていた。
「今なんつったてめぇ!」
男が喋った瞬間
「またね~」
と赤ちゃんが言った。
それから一瞬にして男の足元に四角く穴が空き、声を出す間もなく綺麗に落ちていった。
「はい、今の見たね?こんな感じで反抗する子は落としていくからね~、親に忠実な子しか要らないからね~!!」
凄くバカにした言い方をしているが、それに反抗したら自分も落とされると思い、我慢した。
「じゃ、気を取り直して、まず君たちには…言ったっけ?人生をやり直してもらいます」
意味が分からないが反抗もできないし、ただ聞くしかなかった。
「あ、僕の名前はウコイックって言うんだ、高性能ロボなんだよ~」
「僕はね、今は赤ちゃんだけど、だんだん成長していくんだ~、人と一緒だね!アハハ!」
笑いを取ってるつもりだと思うが、さっきの一件で空気は重くなったままだ。
「えーと、あ、そうだ、人生やり直すって言っても分からないよね、君たちにはまず制服に着替えてもらいまーす」
制服?制服って…何だ?スッポリ記憶が抜けている感じが凄く気持ち悪い。
「あ、制服を覚えてない子達もいるか、えーと、あっちで専用の服に着替えてもらいまーす、じゃ、男は青、女は赤の扉ね」
ウコイックが指を指した先には扉があった
「じゃ、また後でね」
ウコイックは警官に抱えられ、どこかに消えていった。
「あいつなんなんだろーな」
「嫌な言い方してくるわね」
ウコイックが去ってからザワザワし始めていたが
「おい!とりあえず着替えに行かないと話進まねぇんじゃねえか?!」
体の大きな男が言った。辺りはシーンとし、ザワザワは無くなり、みんな各々扉へ向かった。
扉を入ると銭湯の脱衣所のような部屋に出た、服を入れる桶の右に制服?が入っていた。
「え、これって、おしゃぶり?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます