第4話

 巨大なかぎづめが僕の眼前を抜ける。ステップする足回りで後方へ移動し、先ほどまで居た位置をかぎづめが通過していった。また激しい土埃が舞っている。ただ僕も相手も土埃程度じゃ視界の妨げにすらならない。






 巨大な腕から繰り出される武具の一撃は凄まじい音を立てていた。風を切り裂く爆音はただの一撃にしては重い。避けたはずなのに衝撃が僕の体を叩く。痛みはない。だが黒のスカートが何度もそのせいでばたついて鬱陶しい。またこれだけでわかるのは相手の技術の高さだ。




 肉食獣にして、走行能力の覇者。




 怪人にしては細身だ。両足の筋肉を極限までに絞り、瞬発力を高めた動き。黒い全身を持ち、まだら黄色もようを点々と残している。全身に生えた毛は下手な武具すら吸収する弾力性すらある。また戦ってわかるのは身軽なため、重い一撃を受けても受け流せる柔軟さがあった。肉体機能と身体能力を十分に生かした怪人だ。




 尖った耳が頭部の両側面につく。見た目は猫にも見えるが、むき出しになる牙は猛獣のごとき刺々しい。




 これこそ僕は思う。








「君こそジャガーじゃん」






「は?」




 連続で繰り出される、鉤爪の瞬発力にさすがの僕も交わしていくしかない。後ろへ流れるようにステップし続け、時折攻撃のテンポからくる蹴り。それを体を右に傾けると同時に、左手で相手の蹴りの脚部に触れる。押し込む形で軌道をずらした。眼前を左に抜ける黒い一撃。






 ジャガーのごとき怪人は強い。










「名前は?」




 僕は尋ねた。息が少し上がりそうにもなるが、この程度大したことはない。好奇心が勝った。




 ジャガーもそう、4足で短時間で高スピードに達する猛獣は大体どこかでスタミナが切れる。ただ人間と比べると長い距離だが、動物の中では早いほうにも見える。実態は違うのだろうけど、長距離、短距離という体力の差は非常に気になる。




「教えると思うか!!名前を教える価値すらない」




 だがあいにく相手の体力は切れていない。




「そりゃ残念」




 激しい息を吐き出す胸部の逞しさ。また両手に装備した手甲から伸びる5本のかぎづめは下手な怪人など八つ裂きにする鋭さをもつ。武具も一流なのだろう。また戦闘フィールドがどこであろうと影響を受けないようにも見えた。








 僕は今、結城市にいる。八千代町から結城市にいたる道路、そこから田舎特有の畑へ戦闘を変えた。アスファルト上で戦っていると、相手の速度の達し方が異常だった。そのくせ音も少ない。アスファルトにダメージを与えず、高スピードに達し、僕へ肉薄してきたのだ。




 僕が一つ動く前に殺気が届く。少し身じろぎをするだけで、鉤爪の横なぎが迫ってくる。




 安定した土地において、ネコ科の強さを思い知る。音もなく、気配もなく、突発的な狩りにくる姿はまさに肉食獣の在り方。




 だから僕はガードレールを飛び越え、畑へ移動した。誰も作物を育てなくなり、雑草が生い茂る環境。人の手がずれるとここまで乱れていく。その乱雑とした環境での戦闘を開始したのだった。




 アスファルトと違い、畑は足が土に沈むことがただある。だが僕には関係ない。相手の動きが多少遅くなればいい。アスファルト上では僕は追いつけないのだ。






 ただジャガー怪人の猛撃がすさまじく、ただ腕を振るうだけで雑草がちぎれて空へ舞うのだから笑ってしまう。草刈り機みたいと思って笑ってしまった。そうしたら攻撃が激しくなって今の状況になっていた。








「さすがに息ぐらい乱しなよ」




 ジャガー怪人の踏み込んだ蹴りを真下に感じながら前へ行く。回避と同時に僕は一歩前へ。急激に肉薄する僕の動きに対し、相手は鉤爪を勢いよく伸ばして迎撃に立ち向かってくる。だがそれには当たらず、僕は反転した。相手の軸足を中心に、反転。僕の眼前をまたしても抜けていく。






 その手に僕は触れた。暗黒の炎をまとい、触れた相手の手。




 あとはもう関係がない。




「避けるばかりじゃ意味がないだろう!いつまでも逃げれると思うな」




 怪人の自信と強さによる言葉だ。僕を一人の獲物として見、敵とした獣の目。それに対し僕は左手を何度も揺らす。上下に揺らす。その手の上で跳ねるものは非常に重く片手で遊ぶには大変だ。






 僕が弄ぶそれは、玩具じゃない。








「それは、」




 怪人が見覚えのあるものを見て、自身の腕を見た。瞬間的に怪人は慌てふためき、後ろへ動揺して下がった。自身の状況を思い知ったことだろう。僕はそれを跳ねさせるのをやめた。手元にぽつんと落ちたそれは、怪人の腕だった。鉤爪ごと引きちぎったのだ。






 ジャガー怪人が僕を凝視する。自分の腕へ僕へとせわしなく凝視する。






 ジャガー怪人の手首にはぐじゅぐじゅに腐食した断面。僕が手にもつ怪人の腕は腐敗していた。






「腐ってる・・・腐って・・・まて、お前もしかして」






 僕は握った怪人の腕を握りしめる。腐敗したことによって脆くなり、ぐしゃりと肉片がはじけた。悪臭が漂うが、その匂いですら暗黒の炎の中では腐敗が進む。やがて匂いすらも肉片すらも塵となった。




 手元から畑へ塵は落ちた。








「もう終わりかな?」






 僕は上半身を前へ小さく倒し、両足を小さくクロスした。両手首を後ろに回した小悪魔ポーズをしたまま言った。








「まさか、お前は」






 怪人が僕の全身を視線でとらえ、姿を見た。黒い基調のドレスからみて、灰色のくすんだ王冠を順番にみた。驚愕とともに恐怖に満ちた表情に変わるさま。僕は自分の胸元に手を置いた。同時に念じる、変身前の荷物を一つ手元に引き寄せる。変身する前のポケットの中身ぐらいは自身の胸元に手を置くと転送できる。転送といっても、無意識的な場所の移動でしかない。






 取り出したのは魔獣の魔結晶。怪人が生み出す魔石とは違うたぐいのもの。ランクの概念は怪人と同じだが、実際の使い方も効果も違う。






 Dランクの魔結晶






 魔結晶を握りしめ、それを前へ突き出す。






 僕の正体に気づいたジャガーは半ば諦めの感情を出す。呆然としながら僕を凝視し、わずかな動きですらびくつき表す。






 事実をしった怪人が口を開く。




「腐敗した埃、ロッテンダスト」






 怪人の手首が腐りきって、肘まで地面に落ちた。その己の肉体が腐っていく様。視界に収めた怪人は化物を僕に感じたようだ。暗黒の炎が僕の全身からあふれ出し、このフィールドを汚染する。周囲に霧散した炎の渦は命を腐らす効果をもつ。




 雑草は腐り切り、一瞬怪人が避け損ねた炎の余熱が両足を汚す。




 怪人の両足の動きこそ無事であれど、皮膚は、毛は腐っていく。色が黒から緑へ変わっていく。先ほどの俊敏な動きは封じた。






「大正解」




 この怪人は八千代町まで進出し、何人か一般人を手にかけている。また作物をつぶし、僕の生み出した怪人を何体か怪我をさせている。被害は人間タイプの怪人2体。集団行動および、八千代町においてある防衛勢力の一つに指示を出し時間を稼いだ。




 あとは僕が追いかけて、このありさまということだ。






 魔結晶を持たない掌を向けた。片手を失う程度でも逃げようとすれば逃げれるだろう。だが確実に殺せる。魔法少女相手に逃避は難しい。それを知っているためか抵抗する意志すら見せない。




 掌に集まる暗黒の魔力。球体にまで圧縮したそれは、間違いなく破滅の一撃だ。






「さようなら」




 破滅の黒い弾丸がジャガーの胸元を貫いた。胸元から上半身へ伝染する腐敗の力。痛みすら腐らせ、相手に必要以上の恐怖を与える。徐々に肉体を腐らせていき、健康な部分ですら腐敗する汚染の効果がある。






 そして握りしめた魔結晶を怪人の胸元へ投げた。腐敗した胸元の近くに落ちた。そして一瞬魔結晶が光る。まばゆい光にジャガーは目を閉じた。あれは生命を生み出す力の輝きだ。反射的に目を閉じても仕方ない。






 ジャガー怪人の胸元に白いものがある。それは人が死ぬと現れる虫に見えた。






 蛆虫だ。人の赤子より一回りほど大きな蛆虫が一匹いた。それでいて、腐食した部分に口元らしきものを近づけた。




 そして咀嚼。






「あ、あ、あ」




 蛆虫を、僕を交互にみる怪人。絶望すら通り越し、ジャガー怪人は涙した。大きく自分の運命を呪う涙が垂れていた。






 僕は腕を組み、見守る。同時に周囲に感じる視線に対し見せつけた。見えないだけで怪人はいる。この場所を見張る怪人がだ。きっと遠距離でも見える目のいい怪人の視線。また姿を隠し、察知されないよう離れて覗く怪人、遠隔魔法によっての監視する目。






 見せつけた。






「皆々様、今宵の宴はいかがでしたか?黒ジャガーの腐敗蛆虫踊り!凶悪で強い怪人も腐ればこの通り!!」




 蛆虫が僕の声で咀嚼を早める。食われる怪人が跳ねのけようにも体は動かない。神経も腐って痛覚もない。ただ食われる様を最後まで見届けだけだ。










「これを見て、暴れたい奴だけくればいい。最後まで食われるところを見てなよ」






 やがて蛆虫の腹が大きく膨れ上がり、怪人だった残骸が畑に散らばった。地表に転がった魔石を回収し、僕は踵を返す。僕の動きに蛆虫は応じて、ついてくる。知能は与えてある。誰を食べて、誰を食べちゃダメで、誰に従えばいいか。魔獣の知能は低いがそのぐらいできる。












「僕の名はロッテンダスト。腐敗した埃、ロッテンダスト。こんな素敵な目にあいたければいつでも来るといい。八千代町で待ってるよ」








 そして僕は不快な視線を背後にうけながらここから去った。




 全員を殺す気はない。見せしめが必要だ。見せしめ程度で平穏が訪れるならいくらでもするつもりだった。










 八千代町まで歩いて戻る。時折視線やついてくる気配があったが、あまりに不快すぎて適当に腐敗の魔法を放ったら消えた。蛆虫がよちよちと僕の後をついてくるが遅すぎて途中で抱っこした。人間の歩く速度なみには動けるのだが、魔法少女スタイルのときだと少し歩幅がはやいきがする。




 ぬいぐるみを抱っこでなく、蛆虫を抱っことか変な感覚になりそう。






 これもまた必要な措置だ。






 国道まで戻り、コンビニの駐車場へ入る。潰れたコンビニであるが、僕の車が一台止めてある。この周囲には僕が生み出した怪人が何体もいた。人間タイプの怪人だ。獣型の怪人より戦闘能力は落ちるが、それなりの即応力、対応力は人間タイプのほうが高い。




 4体。別のパトロールをしていたDランク怪人を僕の車保護に使用した。




 女性タイプが2人、ロングの黒髪と短髪の黒髪。容姿はロングのほうが目を細くきりっとさせている。短髪のほうは目を少し大きめにしていて、口元をしゅっとおさえている。男性タイプ2体。長髪だが金髪にしており、こちらも目を細くとがらせたものだ。茶髪の短髪をしたほうは、女の子に近く作った子供のような容姿。それぞれ身長は平均にしてある。






 全員が弓を背中に背負い、腰にロングソードを装備している。






「ありがと」




 軽く手を挙げれば、全員が僕に対し姿勢を正しく伸ばす。




 見た目も美男美女にしてある。モデルが移った雑誌を基準にもしてあるし、大体美人とか美男子とかの死体から血液を拝借してもいる。見た目を重視したのは、対人間のためだ。容姿が悪いやつと良いやつなら、大体良いやつが印象高いのと一緒。




 人は見た目で判断する。




 イケメンは有利だし、美人な人生楽勝になる。






 身だしなみが汚いやつがいくらきれいごといっても、その見た目でという答えが返ってくる。




 容姿や身だしなみがいいやつは大体が信用される。スーツをきた大人の正しさと薄汚さは社会人であれば理解できるだろう。スーツほど怖い装備はない。常人が怪物に見えるからね。






 ただ個人的には獣型とか怪物タイプの怪人のほうが好きだ。でも僕が生み出した怪人はどんな見た目でも好きだ。野良怪人だったら怪物タイプを望むけどもね。






 蛆虫を助手席に置いた。魔法少女のくせに蛆虫を愛車の助手席に置く日が来るとは思わなかった。本来は別の車で移動するのだが、今回僕の怪人がやられてしまった。一般人もやられた。あのまま放置すると奥深く侵入してきて、被害が甚大になる恐れがあった。一刻も急ぐ必要があり、僕は愛車を利用した。








 とりあえず蛆虫を置いてから、僕を敬う視線に向き直った。少し4人の怪人のほうへ歩むと全員の頬が赤く染まっていく。それを小悪魔的に笑みを浮かべたまま、手を伸ばす。怪人の頭へ手をのばして撫でた。




 一人、次に隣の怪人へと。






 全員の頭を撫でた後。






「じゃあね」




 車に乗り込み、靴を助手席の下の箱に入れて変身を解除した。シートベルトをしめ、運転席の窓をあけた。おっさんスタイルの僕になっても腕を上げれば、皆正しい視線になってる。また撫でたことからかわからないけど、みんな顔真っ赤。おっさんが中身なのに大変だな。




 魔法少女からおっさんにチェンジしたのに、気持ちが冷めないのかな。








 そして僕はエンジンをかけて、拠点へ戻っていく。






 八千代町の僕の拠点は国道から少し離れている。県道と国道が交差する周囲は畑。田舎って大体畑なんだ。住宅街からも外れ、拠点の周囲は森のような木々に囲まれた場所。ただ道は大きく取られて、対向車も余裕ですれ違える辺境だ。






 そこは一種の住宅街にも見える。




 実際住宅地なんだよ。田舎は大体辺境に見えるから仕方ない。




 大きな敷地を外と分離する木造の塀。見るだけでもしっかりとした作り。材質な木目は塀であっても意識を向けてしまう。




 塀の中へ進めば、大きく開けた土地を横に伸びて広がる家屋。2階建てだ。僕の住居でもあるし、怪人の滞在拠点でもあるし、色々な人間の集まる拠点でもある。




 離れには一軒屋ほどの家屋を一つ。これは普通の民家と変わらない、瓦張りの屋根と薄緑色の塗装の家なだけだ。




 これらを囲む木造の塀も魔獣を加工したものだ。耐熱性も抜群で耐久性も重量にも耐えれる。






 都会であれば数億を軽く飛ばす豪邸。田舎の土地の安さがすごい。税金も今だとこの辺は格安だ。木造ではあるんだけど、樹木タイプの魔獣を使っている。ただの木造だと魔法を使わないと怪人が入れない。怪人の体重は何百キロ当たり前だ。そんなの普通の木材じゃ沈むだけだ。魔法で住宅の耐久性を上げることはできるけど、それをすると手間も管理も魔力も大変だ。




 だから初めから耐えれるものを作った。




 資材の加工は僕じゃできません。秘密結社鵺でもできない。




 だから他の悪の組織に頼み込んで作ってもらった。材料を集めて、加工してもらった。科学技術とくに自然系統に特化したのが坂東市に存在している。お隣さんだから仕方ない。また秘密結社鵺の同盟関係でもある。鵺経由で加工依頼を出し、使用するのは僕のところ。その事情も相手側は知ってる。






 色々事情があるのだ。10カ月ほど前ににそこと戦争があったけども、今では和平済み。






 和平したほうが都合がいいこともあるのだ。今回の家屋のようにだ。






 広い土地、広い庭、広い駐車場。車を10台止めても余裕があるスペースは心が落ち着く。狭いだけの部屋では満足しません。広いほうがいい。






 その駐車場に見慣れないものがいくつかあった。






 馬のような生物が2頭。2頭が引いて動かす馬車。車輪はゴムだ。馬車にも対応できるようにした車と同じ性質のゴム。また馬車にはサスペンションのような構造がここかでもむき出しに見えた。




 僕は車から降りなかった。




「やっかいごとかな」






 ここには車は何台も止まってるし、使っている。僕だけじゃなく、別のものもいる。この豪邸は僕だけのものじゃない。一応使っているやつがいるのだ。馬車を使うのは金持ちの証。速度も出せないが、この馬車は魔法を浸透させやすくするため、魔獣の素材を使っている。僕の豪邸には悪の組織の技術がつまっているため普通に見える。だがこれを普通に加工するとなると凄まじい金額が飛ぶ。






 何億だろうか。




 車を使用しないのは音だろう。速度は車のほうが早いが、まだ魔獣の素材で動く自動車はない。電気自動車も音はでないが、そのエネルギーにひかれてくる化物もいる。ガソリンエンジンの音のすさまじさ、廃棄ガスに反応する魔物。この馬車はきっと材質もいいから音を消す魔法とも相性がいいはずだ。






 普通の鉄は魔法に対応しない。優れた術者や冒険者などはその限りじゃない。普通の鉄の武具にエンチャントするのだって下地の魔法が必要で、その上に属性魔法をのせている。非常に魔力を消費する。大量生産品にそのコストをのせるとなると、普通の鉄板を加工するより、魔獣を消費したほうが効率いい。




 もともと魔法に対応できている魔獣は素材としても加工できれば優秀だ。




 この馬車は状況に応じて魔法に適応するものだろう。優れた魔法使いがいればバリアだってはれることだ。








「どっか遊びにいこうかな」




 まあ僕の家でこんな金持ち馬車がある以上、大体が厄介ごとだ。そうなると中にいる人間が多少は心配だな。この家には怪人も住まわせているし、同居もしている。直接作った怪人は僕といたがる奴が多い。それに合わせてもいるけど、人間も住まわせている。






 一応、未成年が住んでいる。15歳の子を最年長として、それ以下の子供が何人か住んでいる。血はつながっておらず全員他人の子供。




 親がいない子供の悲惨さは僕が知っている。ただ僕は子供が好きではない。他人も好きではない。平穏は好きだし、安定も好き。それでいて他人が無残に死ぬのはもったいないと思う。少なくてもこの辺の人間が死ぬのは惜しい。




 でもそれだけだった。




 書類上は孤児院として登録してある。地方が崩壊しても正式に書類を書くと税金を払わされるのだ。しかもインフラが崩壊しているから少なくても千葉県か埼玉県あたりにいかないと税金払えない。正式に届けた理由はもちろんある。だが必要ないことを考えることもない。






 かつての便利支払いシステムはどこいったのか。ネットで支払える、ネットで買える文明が戻ってきてほしいぐらいだ。ネット回線は大体一都三県しか維持できていない。スマホ通信止まっているのに金をとられたことは絶対許さない。現在は解約済みだ。






 孤児院は僕が管理をしていない。15歳の子に任せている。そもそもその子がこなければ子供を助けようとは思わない。責任もその子がおっている。僕が出しているのは安全と家と必要最低限のものだけだ。










 ただこのままではよくない。僕は家へ戻ることにした。本当に面倒くさいやつだったら車で出かければいい。そんな気持ちで戻っていったのだ。蛆虫を抱っこしようと思ったけど怪人を食べて重かったから自分で歩かせた。おっさんは重いものを持てない。








 




 孤児院であり、家であり、拠点でもある。

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