高校デビューしようとしてるのに妖精たちがいつまでもさせてくれない

@dolphinzero

高校デビューしようとしてるのに妖精たちがいつまでもさせてくれない

ポイ捨てしてあったペットボトルをゴミ箱に入れ満足した後友人と食堂へ向かっていると「あのー」突然の声に思わず振り向くがだれもいない。

思わず立ち止まっていると、友人が

「何してんだよ早くしないとステーキセットがなくなっちまうよ」

と言ってきたのでとりあえずその場を後にした。そして帰宅し、自宅でくつろいでいると、またあの声が聞こえた。

「あのー」恐る恐る振り返るとそこにあるのはただのペットボトルとりあえずそのペットボトルをゴミ箱に入れながら声のことは忘れて宿題でもするかと宿題に取り掛かった。

そこから数分が立った後、今度はガサガサする音が聞こえ、なんだと音の発生源を探していると、急にゴミ箱からペットボトルが勢いよく飛び出してきて、

「私はペットボトルの妖精ペトラあなたにペットボトルたちの恩を返したくて出てきました。」

急にしゃべったペットボトルを何度か見た後、とりあえずもう一度ゴミ箱に捨て、イヤホンをつけ、机に向かおうとすると、頭めがけてペットボトルが突撃してきた。

急な襲撃に驚いたが、神がかった反応速度でペットボトルを叩き落とし目の前のペットボトルへむけていった。

「お前俺に恩返ししたいんじゃないのかよ。俺はお前らみたいな妖精と関わりたくない。だからとりあえずゴミ箱に入っといてくれ。」

そう俺は幼少のころから妖精たちに追われ続けてきた。あいつらは普通の人に見えないからって何かと理由をつけ、つきまっとってくる。そのせいでどれだけ小、中学校のとき、同級生から怖がられたと思ってるんだ。高校では入学して二か月ずっと無視し続けてやっと放課後遊んだりする友達ができたのに。「この透明で繊細で優美なフォルムになんてことするんですか訴えますよ」

「いや訴えるってどこにだよ。あんまりふざけたこというと小さく刻んでゴミに出すぞ」

ちょっと脅してやるとペットボトルの体をねじらせて

「なんて怖いこというんですか。私あなたにかまってもらえないとチェリーにペットボトル100本ノックをさせられるです死んじゃうんです。だいたいあなたのせいなんですよ最近あの人あなたにかまってもらえなくて荒れてるんです。そのせいでクロッカスが短針ぐるぐる回しの刑になってあの光景は今思い出しても…」

チェリーは椅子の妖精でいつも椅子にいたずらしてくる奴だ。あいつ最近来なくなったと思ってたらそんなことになってたのか。

目の前のペットボトルを見るとなんだか不憫に思えてしまい、思わず

「まあ恩返ししてくれるんっていうんならありがたく受け取っておくよ。で、何してくれるんだ」

と。その瞬間ペットボトルの体を最大限にのけぞらせ、

「よくぞきいてくれました。私はペットボトルの妖精、ペットボトルのことなら何でもできるんですよ」

ふふんと鼻を鳴らしながらまくしたてるように言ってきた。

「まずこの世界のありとあらゆるペットボトルを集めて眺めることができます。知ってますかペットボトルっていろんな形があるんですよ。これとこれなんてえへへ」

興奮した口調で語りだすと急に何もないところから謎の形をしたペットボトルが出現し、ペットボトルがペットボトルの外側にすりすりしだした。やばいこいついかれてやがるはやくごみにださなくてはそう思い、おもむろにゴミ袋を取り出し、ペットボトルを突っ込んだ。

「へっ、急にどうしたんですか。私捨てられちゃうんですか。待ってください他にもできることいっぱいあるんです。今からお金を渡してくれたら自販機でサイダー買ってきます。だからお願いです、捨てないでくださいーー。」

俺は一回はあーとため息をついた後、ペットボトルをゴミ袋からだして小銭を取り出し、

「とりあえずこれで綾鷹でも買ってきてくれ、後、椅子の妖精も呼んできてくれると助かる。」

そう言うと、今までの態度が嘘のように

「サイダーじゃなくていいんですか絶対サイダーのほうがいいですよサイダーにしましょう。後チェリーのやつはこってり絞ってやってください。」

こいつ助かったと思うと急にうざいきいきしてくるな。これだから妖精は嫌なんだと思いながら、

「早く綾鷹買ってこい、サイダー買ってきたら今度こそゴミに出すぞ」

と手で追い払いながら綾鷹を買わせに行かせた。

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