第189話 いや、さすがにその話、嘘だよね?
「……え⁉葵、その話って本当の話?……さすがに嘘だよね。葵の作り話だよね⁉」
あまりに衝撃的な話過ぎて、私はそうとしか言えなかった。……葵はきっと笑い話として話したとのだと思うが、さすがに笑えなかった。……だって下手したら私、これより変な服を選ばれる可能性があったんだよね⁉この服よりヤバイ服とか……想像ができない。
「ううん。嘘じゃないよ。……ね~、ゆうく~ん。」
そう言って葵は、ゆうくんの方を見る。
……ゆうくん、すっごい赤い顔をしてるけど、本当なのかな?
「……葵。なんでその話をしちゃうの?それ、三人だけの秘密ってことにしてって言ったよね⁉あの海賊みたいな服と一緒に、押し入れの奥底にしまっておくってことにしたよね⁉なんで人の失敗を、俺の黒歴史を掘り返しちゃうのかな。」
……あ、本当だったのね。
【悲報】私の初恋の人、服のセンスがありえないくらいになかったことが判明‼
でも、そのゆうくんがかっこいいって思った服が押し入れの中にしまわれているのか。なんかちょっと、その服見てみたいかも。ほら、ゆうくんに服をプレゼントするとき、どんなものを選べばいいか参考にできるし。
「ねえねえゆうくん、その服着て、見せてくれない?」
私がそう言うと、
「写真を撮らないでくれるなら。」
と、条件付きで、服を着て、見せてくれた。
……外をその格好で歩くのはちょっとあれだけど、家の中で着る分にはいいんじゃない?普通に、かっこいいし。
ゆうくんが、例の服を着た姿を見て、そう思う私であった。
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