第137話 渚がここに来た理由
「渚ちゃん。さっき言ってた『婚約者』ってどういうこと?」
晩御飯を食べながら、俺は渚ちゃんにそんなことを聞く。
本当に、本当に意味が分からない。渚ちゃんと婚約をした記憶もないし、そもそも、俺は現在、葵と付き合っていて、結婚している状態になっているのだ。……法律的に大丈夫な関係かはわからないけれど。
「ん~……。どうもこうも、そのままの意味だけど。」
俺の問いに対して、渚ちゃんはそう答える。
「ほら、幼稚園の頃に約束したじゃん‼大きくなったら結婚するって。」
い、いや、その、幼稚園の頃の約束っていうのはね……。なんていうか、子供のお遊びみたいなものじゃない?
「それに、ゆうくんのお父さんも、私とゆうくんは、将来結婚する予定だって言ってたし……。」
……。え、これどうするの?うん。
普通にこれ、冗談抜きでやばい状況だよね⁉お母さんが、葵との結婚について、お父さんに全く相談せずに決めたせいで、こんな状況になっているんだよね⁉
ともかく、この状況を、俺がどうにかすることはできないので、とりあえず、
「ありがとう。なんでこんな状況になっているかを教えてくれて。……一回、お父さんとかと話したいから、ちょっと待っててくれるかな?」
俺は葵と渚ちゃんにそう言うと、母さんのいる、隣の家。もともと、葵が住んでいた家に向かった。
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