第二章 まさかまさかの二人目の婚約者⁉

第135話 ……あなた、誰ですか?

ピンポーン

葵に告白をしたあの日から2週間が経ったころ、久しぶりに葵と二人で晩御飯を作っていると、インターホンが鳴った。


「ゆうくん。今私、手を離せないから出てきて~。」


おばあちゃんに教えてもらったおかげか、素早く、きれいに野菜を切る葵が、俺に向かってそういう。


「は~い。」


特に忙しいわけでもなかったので、俺はそう返事をして、玄関に向かう。


「すいませ~ん。お待たせしました~。」


そう言ってドアを開けると、外に配達員の姿はなく、玄関の前にただ一つだけ、バカでかい段ボールが置かれていた。

……はぁ。この段ボール重そうだな~。そう思いながらも、段ボールを持ち上げようとした瞬間だった。


「ばあ‼」


そんなことを言って、段ボールの中から、可愛い女の子が、葵と同じくらいかわいい女の子が飛び出してきた。


「……誰?」


思わず俺は、そんなことを言ってしまった。


「……え⁉もしかしてゆうくん、私のこと、忘れちゃったの⁉」


段ボールから出てきた女の子、別名 だんぼうる子さんはそんなことを言う。

……あ、これは桃から生まれたからもも○○う。

とかいう名前のつけ方をした、むかーし昔のおじいさんたちの命名方法を習っただけで、別に俺が考えたボケとかではないからね⁉


「……はぁ。もうゆうくんったら仕方ない男の子だな~。婚約者の私のことを忘れちゃうなんて。」


……婚約者⁉

聞き捨てならない言葉が聞こえたので、とりあえず俺は、この女の子を家に上げることにした。……今の言葉、お母さんに聞かれたらまずいしね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る