第114話 おばあちゃんからの電話?

「ゆうく〜ん。ゆうくんのおばあちゃんを名乗る人から電話がきたよ〜。」


と、ゆうかさんがかえっても、葵はいつも通りの態度で俺に接してくれていて……どうやら、怒ってないみたいだ。


「ゆうくん。『わしわし詐欺』かもしれないから気をつけてね‼︎」


いや、なんだよその新手の詐欺は‼︎『オレオレ詐欺』は、声を聞き分けにくい年配の方だから成功するわけで……その、『わしわし詐欺』って言うのは、引っかかる人少なそうじゃない⁉︎

……ていうか葵、俺のおばあちゃんに会ったことあるよね?

うん。確か小学生の頃、葵と一緒におばあちゃんちに遊びに行った記憶がある。

そんなことを考えながら、葵から電話を受け取った。


「もしもし、おばあちゃん。」


「久しぶり〜、ゆうき〜‼︎……って、誰がおばさんじゃい‼︎」


と、受話器の向こうからは若い女の声が聞こえてきた。これが『わしわし詐欺』⁉︎……ではなく俺の従姉弟の、楓お姉ちゃんだ。

……葵に、はめられた。


「と、くだらないツッコミは置いといて……今年の夏休み、葵ちゃんと一緒にうちに来ない?ちょうど先月、リフォームが終わったばかりでさ。」


……おばあちゃんの家か。確か最後に行ったのは中一の頃だっけ?それに、また葵も一緒に行けるとか、絶対楽しいじゃん‼︎

そう思った俺は


「行きたい‼︎葵と相談してまた、日付が決まったら連絡する。」


と、楓お姉ちゃんに言うのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る