第56話 あ、昼食って、私が作らないといけないんだ。

「ふぅ~。疲れた疲れた~。よし‼それじゃあ昼ご飯、食~べよっと。」


そう言って、ベランダからリビングへと戻った私。……あれ?私の昼食って、

どこにあるの?

『ゆうく~ん‼私の昼食は~?』

そう言いかけてようやく気付く。

あ、今日はゆうくん、熱でずっと寝てるんだった。……ていうことは、私が自分で、

昼食を作らないとじゃない⁉ゆうくんの分も‼

そのことに気づいた私は、おなかが

ぐぅ~

と、なるのも気にせず、昼食を作り始めた。『おなかがすいて、力が出ない~‼』

とか言っても、誰も助けてくれないし。



おなかがすいて、

『病人に、どんなものを食べさせればいいか。』

とか、そういうことを考えずに作った私の昼食がこちら‼

カレーのルーが、溶け切ってないカレー

ゆうくんの嫌いな、とうもろこしと、トマトが入っている、サラダ。

そして、冷凍食品にあった、餃子。

……統一感って、なんだっけ?

それと、この料理たちに関しては、少し言い訳をさせてほしい。うん。

これは仕方ないことなんだから。

まず、ルーが溶け切っていないカレー。

これに関しては、私は悪くないと思う。だって、分量どおりに入れたはずの水が、

あくを取っていくうちに、どんどん消えて行っちゃったんだから。

……仕方なくない⁉

次に、ゆうくんの嫌いな、とうもろこしとトマトを使ったサラダなんだけど……

ほら、風邪の時って、野菜を食べた方がいいじゃん?

だから、だから野菜を食べさせてあげようとしたんだけど、家の冷蔵庫に、とうもろこしと、トマトしかなくてさ……。

そう、これは仕方のないことなのです‼


何はともあれ、家事の大変さを知った私は、これからは、ゆうくんばっかに頼りっきりにならないで、出来る限りのことは手伝おうと、思うのだった。

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