第43話 校外学習の、班決め‼︎

「それじゃあ今から、校外学習の班決めをするぞ〜。班は男女2人ずつの合計4人で作ってくれ。」


6時間目、先生がそんなことを言い出した。

『校外学習』

それは、学校で、まともに話せる相手が、大輝くらいしかいない俺にとって、地獄のような行事だ。

……まあ、家とか通学中なら、葵とも話せるんだけど。でも頑なに、学校では近づいて来ようとしない葵。何か事情があるのだとは思うが、ちょっと寂しい。俺の班の、男子のメンバーは大輝で確定として、女子って誰になるんだろう。……さすがに、

葵ではないだろうし。いや、でも、調理実習も一緒にやったし、可能性はゼロではないような……。

そんなことを、考えていると、


「中島く〜ん。長谷川君。私たちと、一緒の班にならない?」


そう言いながら、神保さんが近づいてきた。

……なんで大輝の時は、距離感があるような言い方になるんだろう。俺と大輝、どっちとの付き合いも、同じ長さのはずなのに。

……あ、俺は前に、あんなことを言っちゃったから

『こいつなんかに、敬意を払う必要ないわ。』

とか思われちゃってんだ。……元はと言えば、大輝があんなこと話したからなのに。


こうして、俺たちの班のメンバーは、俺と大輝、

神保さんと、神保さんが連れてきた葵。この4人になったのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る