「みてみて〜葵。これ、中島くんの連絡先。

すごいでしょ〜。」

5時間目が、終わった後の休み時間。優香が私に、そう言いながらスマホを見せてきた。

……昼休み、ゆうくんをどこかに連れていってた

けど、連絡先を交換するためだったんだ。

「ふ〜ん。別に、連絡先くらい、私も知ってるもんね〜‼︎」

そう、私だってゆうくんの連絡先は持っているんだ。というか、今はもう、連絡する必要もないくらい、近い場所に毎日いるけど。

「うん。それは知ってるよ。でも〜、葵は私と違って、中島くんの好きなタイプは、知らないよね？」

……ゆうくんの、好きなタイプ？

「え⁉︎なにそれ、私知らないんだけど‼︎ねえねえ

優香、どうだった？私、ゆうくんの好きなタイプに、当てはまってた？」

優香とゆうくんが連絡先を交換したのは別にいい。

でも、ゆうくんの好きなタイプとなれば、話は別だ。生まれてから、ず〜っと一緒にいる私ですら知らない、ゆうくんの、理想の女性。それが私に当てはまっているのか、すっごく、すっごく気になる。

……このままだと、朝も昼も眠れない。

「う〜ん……。葵とは、逆のタイプの人だと思うよ。中島くんの、タイプの女性は。」

……学校との、私と逆。

と、いうことは、家での私はゆうくんにとって、

理想の女性‼︎

完璧なお嫁さんと言っても、過言じゃない‼︎

ってことだよね⁉︎

やった〜‼︎

これはもう、優香に取られる可能性なんて、

考えなくても大丈夫だね‼︎

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