WILD HOGS 〜団塊ボーイズ〜

「あと何度、夏が過ごせるか。誰にもわからない」

 この映画でバイク乗りに一番刺さる台詞だと思いました。


 洋画の中には日本語タイトルで失敗したと言われている作品が幾つかあります。最近話題になったものだと『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』(原題:HORIZON LINE)などは好例でしょうか。実際に観た訳では無いのであくまでもネットでの評価です。

 今回の作品もその一つ。邦題が『団塊ボーイズ』で原題は『WILD HOGS』


 まず探すときに困りましたね、タ行なのかワ行なのか。そんな訳でなかなか見つからなかったのですが、私ドラマジャンルを探していました。正解はコメディジャンルのワ行でした。


 軽くあらすじに触れますと、家庭や仕事で鬱屈とした日々を過ごしている中年男性達が学生の頃の輝いていた自分を取り戻す為にバイクで旅に出るってのが大筋。旅の途中でトラブルに巻き込まれたり恋をしたりして、成長というよりは吹っ切れて帰ってくる感じです。


 確かに途中までは「団塊」でいいのかなぁと思える内容でしたが、中盤から大きなトラブルに巻き込まれて、一度は逃げようとしながらも大事な気持ちを思い出し立ち向かっていく流れはサボテンブラザーズを彷彿させる熱い展開でした。この流れで「団塊」って単語はかっこいいイメージではないかなぁ。

 私は原題ママで良かったのではと思います。


 さてバイク。本当にアメリカ大陸ってのはハーレーが似合いますね。例によってハーレーについて詳しくないので語れませんが、ハーレーの中でもやはり旧車カテゴリーや排気量マウントに近い物が描かれていて、そういうニュアンスがハーレーに詳しくなくても上手く伝わってくる。これは監督自身がハーレー乗りだったからでしょう。ヘルメットなどの装備も含めたバイカーファッションもそれぞれのキャラに当てはまる見事なチョイスです。土日やパレードイベントしか乗らないってスタンスで革ジャンがルーズで着込まれていない感じだったり、アウトローが酒場にたむろしていて、その人達はやはり小汚い一張羅だったり。


 全体的にコメディタッチで軽快ですが、一部ゲイの方を笑いネタにする描写があり、不愉快に感じる方もいらっしゃるかもしれない時代。


 バイクに乗りたくなると言うよりは、バイクで旅に行きたくなる映画。

 さらにそれがハーレーだと最高に気分は盛り上がるかな。

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