68話 償い

1月16日、日曜日。


今日は休養日だ。


昨日は土曜日なのにも関わらず、ファイナル版提出のために遅くまで働いた。

一昨日徹夜した疲れも残っており、今日彰は11:00頃に目を覚ました。


目を覚ますと、スマホに一件の通知が入っていた。


八重樫:お疲れ様。今後のスケジュールに関して少し話したいから目が覚めたら電話かけて。


彰はメッセージにあったように八重樫に電話をかけた。


「もしもし」

「もしもし、おはよ~。」

「スケジュールに関してだよね?」

「うん。そのことなんだけど、ファイナル版提出までかなり追い込んでやってきたから、明日は今作のメンバーは休養日にしてあげようと思うんだけどどう?やっぱり、ここで一旦休養挟むことで、みんなの気分もリフレッシュできると思うし。」

「全然いいと思うよ。」

「じゃあ、そうするね。もしよかったら、明日どこか出かけない?」

「うん。いいね。どこか行きたいところある?」

「うーん。考えとく!」

「わかったよ。」

「明日はじゃあ10:00に彰の部屋に行くね。」

「はいよ。」


電話は切れた。


ファイナル版を提出し終え、少し余裕ができたので、彰と八重樫は話し合ったうえで、今作の制作陣には月曜日に臨時休養を与えることにした。


そして、今回の休養を機に、全メンバーがリフレッシュしてゲーム完成まで完走できるようにしたほうがいいと考えたからだ。


八重樫が、社内のメールでプロジェクトメンバー全員に通達した。

もちろん、彰の元にもそのメールは届いた。


八重樫との電話を終えてから、明日どこにいくか考えていた。


ネットで、都内のデートスポットを探るが、特にピンとくるものはなかった。

そこで、彰は思いきって千葉県の某ネズミで有名なテーマパークのチケットを購入した。そして、八重樫に連絡した。


彰:明日のことなんだけど、集合時間早めてもいい?どうしても連れて行きたいところあるんだけど。


八重樫:何時くらい?あと、どこよそれ?(笑)

彰:8:00でもいい?

八重樫:はやっ(笑)。わかったよ。どこ行くの?

彰:ネズミーランド

八重樫:え、嘘でしょ?めっちゃうれしい!

彰:ほんとだよ。だから朝ちょっと早くなっちゃうけど大丈夫?

八重樫:うん。大丈夫!


思い切ってチケットまで買っちゃってよかったと思いながら、少しホッとした。

明日のデートのことを想像していると、彰はなんだかとてもワクワクしてきた。


朝が早いので、寝なければと思っていたが、遠足前の小学生のように、なかなか眠りにつけなかった。


結局、彰が眠りについたのは深夜2:00だった。


・・・

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