第8話
やっと、目を覚ましたかい?
ここは何処かって? 笑かすなよ相棒。
もちろん天国だ。
罪? 綺麗サッパリ消えたよ。それこそ霧みたいにな。
ここに来て思ったんだが、現世では色々あったな。
どれも面白い思い出だよ。
おい、どうしたその左腕。
酷い火傷じゃないか。
大丈夫か?
早く医者と言いたい所だが、このヘブンスには医者が居ない。
だが、安心しろ。ヘブンスでは絶対に死なない。福祉サービスも多いし大丈夫だ。
ほら見えるか? あれが俺らの家だ。
ほら見覚えあるだろ? ったく神は笑わせてくれるよな。
現世の拠点だぞ。
これじゃぁ前の生活もできるってもんよ。
庭で野菜作ったり、牛も居るからミルクだって肉だって食える。
いやぁ最高だな。
でもよぉ、相棒。
おかしいと思わないか。
なんで俺らがこんな幸せな世界に居るんだ?
もしかしたら、「俺らはリストラされた」んじゃねぇか?
あ、いやぁ俺の推測だよ。推測。
こんなに幸せでいいのか? って思ったからよ。
でも、そんな悪い思い出は一切覚えて居ないのは、偶然か? と思ってな。
本当に幸せで良いのか?
え? そんな事なんてどうでも良い?
笑かすなよ。相棒。
そうするに決まってる。絶対に。
また一緒に生活出来るな。
今度は置いては行かねぇ。
あれ? 俺そんな事したっけな。気の所為だな。きっと。
さぁ、もう小麦の収穫時期だ。
忙しくなるぞ。
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