堕落人間

江坂 望秋

本文

幸せの鳥 コウノトリ


咥えて運ぶ わが身体


産まれ落ちたる 心地して


育つてきたる 十数年


父母ちちはは育てる わが身体


すくすく育つ わが身体


光陰のごとく 過ぎてゆく


育つてきたる 十数年




しかしわたしは ぶつかった


こえられぬ壁に ぶつかった


気にするんじやない 父の声


だいじょうぶだと 母の声


されども耐えれぬ わが心中こころ


苦しむわたしは 声もでず


ひとりぼつちの わが心中


たすけてくれるは 夢女




私は堕落してしまった。父母は私を見放してしまった。私は本当に一人ぼっちになった。外へ出る。照りつける陽、聞こえる人の声。全てが苦しい。私は一人の女を見つけた。電話をしながら笑っている。私はその女を殺してしまった。

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堕落人間 江坂 望秋 @higefusao_230

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