第3話 初収録で初告白??
「では、本番はじめまぁす、3!2!1!」
ディレクターの声がスタジオに響く。
「はい、本日も始まりました、最新のホットな音楽を特集!ジャムジャム倶楽部!司会のうまぴょんと…」
「えれぴょんで〜す」
「よろしくお願いしま〜す」
司会の2人の声が響く。
「本日もたくさんのゲストをお呼びしております、まずは元大人気アイドルで卒業後はコスメや服のブランドを運営していらっしゃる美のカリスマ、宮島怜さんで〜す」
司会の2人が怜の方を指して言った。
「よろしくお願いしま〜す」
怜がニコッとしながら会釈すると、スタジオの観客も大歓声で応えた。
司会の2人が次々とゲストを紹介して行く。
そして俺の番が来た。
「では最後に、アイドルからメジャー歌手まで様々なアーティストへの楽曲提供実績がございます、今ホットな音楽クリエイター、宮下仁さんです!」
司会の2人が俺を見てニコッとした。
「よ、よろしくお願いします、、」
俺は消え入りそうな声で答えた。
会場に拍手が起こる。
ゲスト紹介も終わり、本編に入った。
このジャムジャム倶楽部というのは、週間のチャートで上位に入ったアーティストをスタジオに呼んで、色々討論する番組である。
俺はアイドルでも歌手でもなんでもないが、俺の提供曲が今週のチャートで一位と二位を獲得したので、作曲家を呼ぼうということになったのだ。極めて異例らしい。
そのためテレビ慣れしてないので結構キツイ。
「続いては、視聴者の皆さんからゲストさんへ寄せられた質問に答えていただく、という企画でございます、まずは怜さんに、あ、たくさん来てますね、全部は見れないのでスタッフが厳正に抽選で選びました、この質問でいきましょう。えれぴょんよろしく!」
うまぴょんがえれぴょんに振った。
「えっと、これ、シンプルでいいですね〜、怜さんはどうしてアイドルになったのでしょうか?という質問です、怜さん、どうしてですか?」
えれぴょんが怜の方を見てい言った。
「私自身、夢とか全くなかったんですけど、中学生の時に友達に連れられて行ったワン子倶楽部のライブに行った時に、ものすごい感動して、アイドルになりたい、って思って、そこからはまっすぐアイドルを目指していました」
怜は何か遠くを見つめるような感じで答えた。
もう理由が可愛い。
周りに勧められてとかそういうのじゃなくて、自分のやりたいことを貫いた。そういうところもまた良い。
「怜さん、ありがとうございます。続いては仁さんに質問が来てます、お、これはベタですが、陰でアーティストを支える仁さんからはあまり聞けないなかなか貴重な質問です。好きな芸能人の方はいますか?という質問です、仁さんどうですか?」
うまぴょんが俺の方を見て言った。
好きな、芸能人、、いや、そんなの1人しか居ないだろ、、。
「僕は昔からアイドルオタクで、昔から怜さんのファンで、、、あ、なんかすいません…」
俺が顔を真っ赤にして言うと、会場中は「おおおおおっ」という大歓声に包まれた。
うわ、やっちまったよ、これはドン引き案件だわ。
怜はきっと微妙な表情をしているの違いない。恥ずかしくて怜の方を見ることは出来ない。
「なるほど〜、いいですね。公開告白っていうところでしょうか」
うまぴょんがこちらを見てニヤニヤしてくる。
「いや、そんなつもりじゃない、、です」
俺は焦って答えた。
「ふふふ〜、冗談ですよ!おっともう少し聞きたいところなのですが、お時間が来てしまいましたので、本日のジャムジャム倶楽部はここまで、また来週お会いしましょう!本日の司会は、私、うまぴょんこと馬原つぐみと」
「榊えれなの2人でお送りしましたっ!」
「ありがとうございました〜ばいば〜い」
司会の2人の声と共に、会場に拍手が巻き起こった。
「はい!OKです、お疲れ様でしたぁ」
とディレクターが締めると、みんなゾロゾロとスタジオを後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます