第20話

「今朝!私の運命の相手が見つかったの!

私、山吹くんと結婚する!」


「ええ!?」


またしても。

俺と藤島くんの声が重なった。


「気が早すぎ!」


俺も叫び。藤島くんも、それは

思うところなのか、同じ言葉を叫んでいた。


「ところで、藤島くん。

家庭科の成績を教えて頂戴?」


「....っっっ!な、なんで言わなきゃいけねぇんだよ!!」


「5だよ、5っ!5に決まってんだろ...!」


「嘘でしょ?雑巾は山吹くんに押し付けて全部縫わせてたし?はんてんを作る授業だって、

ミシンろくに使えなくて、それも山吹くんにやらせてたじゃん...!で、家庭科のおばちゃん先生にめちゃくちゃ怒られてたし!」


「...くっ...」


「よく見てやがんな...」


「さ、いこっ。

山吹くん!藤島くんはほっとこ!」



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