第2話 封印解放



 そこは 暗くて冷たい

 誰も 彼も そこに近寄る事が出来ない


 秘められた場所

 聖域には  

 神秘性があって

 幻想性があった


 けれど 誰もいない

 

 それに 何もない


 何千年も変わらない


 いつかの日

 いつかの夜に


 暗闇の向こうから 誰かが手を差し伸べてきた


 手の主は こちらに喋りかけてきた。


 顔は見えないまま




――こっちへおいで




 優しい 声で


 暖かい 声だ


 涙が 出た


 声は 出なかっった



――ああ やっとここから出られるんだ




「ストーリー」

 何千年もあんな洞窟に閉じ込められていたら、どんな凶悪な生き物だって弱気にもなる。

 だから…。

 なっ、泣いてなんかないんだからねっ。

 うぅっ、空って広いなぁ。



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